コミュニティNEWS
日々、多くのコミュニティからたくさんの「出会い」が生まれているにも関わらず、その瞬間に立ち会うことはなかなか難しいオンラインコミュニティ。
実際に起こるその素敵な出会いとメンバー達が創り出す作品やイベント、その共創をより多くの方に知って頂き、コミュニティ活動の素晴らしさを届ける企画です。
今回は株式会社コルク代表 佐渡島庸平さんが主宰を務める”コミュニティを学ぶコミュニティ”『コルクラボ』のメンバー関智征さん(愛称:せきとも 以下、せきともさん)をクローズアップしたいと思います。
せきともさんはキリスト教の牧師を務めながら大学でも教鞭を執っていた経歴をお持ちの方です。
数年前に発症した大病により一時は命の危機すらありましたが、100歳を超えるとある医師に救われました。
現在も病とは戦っている状態ではありますが、自分を救ってくれた医師に何か恩返しをしたいと思い、医師の半生を題材にした自主制作ドキュメンタリーにチャレンジしました。
初めての取り組みに悪戦苦闘の日々でしたが、そこを支えてくれたのがコルクラボのメンバー。一体、コルクラボではどのような出会いときっかけが起きているのでしょうか、その経緯に迫りました。
─コルクラボに入ったきっかけを教えて下さい。
もともとコルクのオフィスでやっていた伊東潤さんの読書会(遠藤周作『沈黙』の会)に参加してコルクのことを知ったことがきっかけでした。
コルクラボの「コミュニティを学ぶコミュニティ」という言葉に興味を持ちました。「教会というコミュニティを21世紀の文脈にあわせて定義しなおす必要があるのでは」「オンラインで教会は成立しうるのか」という自分の問いのヒントがある気がして、コルクラボ11期生(2021年1月)として入会しました。
─実現したい明確なビジョンを持ってコルクラボに入会されたんですね。
メンバーとの交流方法で意識をしていることがあれば教えて下さい。
実は、私は大病にかかる以前、まだ4期生(2018年7月)だった頃に一度、コルクラボに入会していたことがあるんです。
その時は、コミュニティ内でどう動いていいか、どうやってコミュケーションを取れば良いか分からず、仕事の忙しさも相まって、1年間幽霊部員の後、退会してしまいました。
4期で入った時のコルクラボの印象自体は良かったので再び11期で入ったのですが、病気で社会と隔絶していたので、まずは誰かとゆるくつながりたいと思っていました。
コルクラボに入ってからすぐにサディ(※佐渡島庸平さんの愛称)から「毎日が自己紹介だと思って、自分を皆に積極的にさらけ出したら良いよ」とアドバイスを貰いました。
それからはコルクラボをきちんと楽しむことが出来なかった4期の頃とは違い、自ら牧師の仕事のことや自身の病気のこと、そして今一番自分が実現したいドキュメンタリー制作のことなどメンバーに少しずつ話していくことが出来ました。すると、次第にメンバーからも自分たちが大切にしている想いや考えを話してくれるようになりました。
私はオンラインコミュニティは、入っただけで、仕事が上手くいったり、幅広い人脈が増えたりするような”便利な魔法の杖”のようなものではないと思います。
オンラインコミュニティも学校のサークルや会社のチーム、友人・家族と同じで、人と人が創り出す場だと思います。重要なのはオンライン・オフライン関係なくその人と心が通った交流が出来る場を創り出せるかだと思います。
─コミュニティを通じて、せきともさんに何か変化がありましたか?
また、今作成中のドキュメンタリーについても教えて下さい。
今でも若干、苦手意識はあるのですが、以前と比べてTwitter、noteが投稿が出来るようになりました、これはコルクラボのメンバーがよくSNSを投稿していて「自分をもっと表現していいんだ」「発信しても大丈夫なんだ」と気づきを得られたからだと思います。
基本、私はコルクラボの活動は受け身なのですが、誰かが立ててくれたイベント、たとえば美術好きのメンバーと一緒に美術館に行くイベントに参加したり交流もできてきました。
そういったメンバー達から、今私が製作中のドキュメンタリーに対して、いろんな角度からアドバイスをいただきました。
▲せきともさんの100歳現役医師ドキュメンタリークラウドファンディングの様子ドキュメンタリー作成のヒントとなる作品を教えて貰ったり、企画のブラッシュアップや、クラウドファンディングの文章添削、予告映像の字幕作成など、多くのメンバーに支えられながらドキュメンタリー制作を進めています。
クラウドファンディングを募ったところ、コルクラボを卒業したメンバーも応援してくれたり、様々な人にご支援いただき、目標金額は開始から5日で達成することができました。
─ドキュメンタリーの完成が今から楽しみですね!
せきともさんが次にコルクラボで実現したいものはなんですか?
ドキュメンタリー自体は2022年10月の公開を予定しています。
基本はオンライン公開の予定ですが素敵な生演奏と共にホールを貸し切った、上映イベントなども考えています。
今回のドキュメンタリー作成を通して、メンバーと雑談したり相手の話を聞いたりして一対一の人間関係が少しずつできていく積み重ねがコミュニティを作っていくのだなと実感しました。コルクラボでは仕事をしているだけでは出会えない人や作品に出会えて、楽しいです。(コルクラボをきっかけに伊東潤さんの小説を読み始めたりしました…!)
ドキュメンタリーが完成したら、また自分の使命である教会のアップデートを進めるために、引き続きコルクラボでメンバーに助けてもらいながら、試行錯誤を続けていこうと思います。自分の伝えたいメッセージがどのように届くのか、これからもコルクラボで実験していきたいです。
せきともさんの100歳現役医師のドキュメンタリーの詳細はこちら コルクラボの詳細はこちらから
Text: 諏訪下 優知 / コミュニティライター