2025年9月23日、東京・新橋で「Women’s Wellbeing Fes 2025 〜わたしの幸せを見つける 女性のためのウェルビーイングフェス〜」が開催されました。
本イベントは初開催ながら、当初300席を予定していた参加枠が2週間で完売。急遽席数を増やして追加募集をするほどの大きな話題となり、当日も大盛況のうちに幕を閉じました。
「わたしの幸せを見つける 女性のためのウェルビーイングフェス」というコンセプトから、本イベントは多彩なワークやアウトプットを盛り込み、会場全体が一体感に包まれるような工夫が施されていることが特徴的でした。このようなイベントが開催された背景にはどのような想いと意図があったのでしょうか。
主催者であるOSIROを導入しオンラインコミュニティ「ICOREリンクスサロン」を運営する
株式会社ICOREの安藤美玖さんと、
株式会社Lilynage代表でセルフケアプロデューサーのLilyさんにお話をうかがいました。
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「主役とその他大勢」ではなく「みんなが主役」の場をつくりたかった
安藤美玖さん
ICORE 代表取締役
2014年に新卒で株式会社デンソーへ入社。営業・人事を経験した後、前パートナーの海外駐在でキャリアを失い自分の今後の働き方に悩む。ライフステージの変化において人生やキャリアを諦めたくないと一念発起し、帰国後は本業の傍ら4つの複業を経て、2020年に独立。2021年にICOREを創業。累計300名以上のコーチング・コンサルティングを担当。TEDxNagoyaU・大学のキャリア授業など講演家としても活動。
Voicy: 「安藤美玖のキャリアも私も楽しむラジオ」
Instagram:miku427
ーーまずは「Women’s Wellbeing Fes」立ち上げの背景や、開催の思いをお聞かせください。
安藤美玖さん(以下、美玖さん): もともとリアルな場が好きで、オンラインイベントが増えている中で
「直接つながれるリアルな場」をつくりたいという思いが強くありました。そこでどのような場をつくろうかと考えた時、ICOREのメンバーやフォロワーさんの話を聞いてみると、みんな「誰かと比較して悩んでいる人が多い」という現状が見えてきたんです。
私自身、慶應義塾大学大学院でウェルビーイングを研究してきたり、私自身も自分をしっかりと知り幸せをつくっていく道を歩いてきた中で、「こんなに誰かと比較して苦しむ必要はないのにな」や「もっと自分に合う幸せを見つけられたらいいのに」という思いがありました。
ーーそこから「Women’s Wellbeing Fes」のコンセプトにつながっていったのですね。
美玖さん: はい。ウェルビーイングはすごくいいものなのに、なかなか広まっていっていない現状があり、自分ごととして捉えられていない人が多いと感じています。そこからイベントのテーマをウェルビーイングや自分自身の幸せにしていくことにしました。
しかし、ウェルビーイングに関連するイベントを検索してみると、出てくるのは講演が中心のものが多く、私としてはもう少し
「学ぶだけではなく体験や体感ができる場」「お祭りみたいに楽しくウェルビーイングを知れる場」にしたいと考えました。なので、一番最初のコンセプトは「遊びながら見つけちゃえ、私の幸せのかたち」でした(笑)。
そこからコンセプトを磨いていく中で、いろんな人の悩みを聞いていくと、やはり自分の幸せがわからなくて悩んでいる人、誰かと比べてしまって自分に自信が持てない人が多い印象でした。また、情報が多く選択肢が増える時代だからこそ、「自分の幸せが余計選びにくくなってる」という課題を乗り越えるための場にしたかったんです。
そうして生まれたのが、今回のコンセプト「わたしの幸せを見つける 女性のためのウェルビーイングフェス」です。
ーー「わたしの幸せを見つける」ためには、やはり主体的に体験・体感することが大切になります。それが今回のプログラムには随所に表れていましたね。
美玖さん: 多くの大規模イベントの場合は、話すゲストと聞きにきた参加者という、主役とその他大勢のような関係性になってしまいます。
今回のイベントでは「みんなが主役」の場をつくろうと最初に決めたので、
インプットよりアウトプットを重視して、学ぶだけじゃなく体感できるものにしたい。そんな体験設計にこだわりました。
特に第2部、第3部のセッションは体感・体験や手を挙げてもらうような動きを入れるワークで設計したのが狙いでした。その結果、プログラムが進んでいくごとに会場の熱が上がっていくのを感じて、とても嬉しかったです。
ーー当日、美玖さんが会場やステージの上で感じた印象についてお聞かせください。
美玖さん: イベント全体のイメージとして、「
帰る時にみんなが笑顔で自分の人生に向けて一歩踏み出す場にしたい」と考えてつくっていたんですね。ステージからみんなの表情を見ていて、最初は「ウェルビーイングってなんだろう」と不安な表情の方もいた中で、どんどんみんなの表情が「私はこれでいいんだ」や「みんな違っていいんだ」という表情に変わっていくのを実感しました。
一方で、当日のコメントで「自分と同じ悩みの人がこんなにいることに感動した」と言われていた方もいました。
その場にいる人しか感じられない空気感の中で、自分とちゃんと向き合い、共感し合える。そんな一体感が生まれている。私が「見たかった景色」が目の前に広がっていると思いました。本当にずっと忘れられない光景だと思います。
ーーカリキュラムだけではなく、運営チームの一体感についても印象的でした。
美玖さん: 運営チームは、ICOREとLilynageのメンバー、そしてブログで「こういうの(イベント)一緒にやりたい人」とICOREリンクスサロンで募った人たちです。つまり「自分で手を挙げた人しかそこにいない」状態でした。
参加したメンバーからも「
自分で実際にやりきれたのがとても良かった」と言ってもらえたことも嬉しかったですね。どうしてもビジネスも自分一人でやろうと思ってもやり方がわからなかったりしますが、こうしてチーム一丸でやり遂げられたことが、メンバーにとっても自信につながってくれたことは、私としてもとても嬉しいです。
また、打ち上げの席で「
来年も絶対参加者じゃなくてサポーターとして出たい」と言ってくれるメンバーもいました。価値観が合う仲間がチームとして作ってくれていたからこそ、何のケアをしなくてもみんなが勝手に動いてくれたのだと思います。
そういった意味でも、このイベントは「
コミュニティによって形づくられた場」だったからこそ、あの感動が生まれたのだと思っています。
DSC08184.jpeg 4.67 MBーーまさにコミュニティの理念が形になった瞬間ですね。最後に、ICOREの今後の展開と、コミュニティ運営のプラットフォームとしてOSIROが何かお手伝いできることはありますか?
美玖さん: ICOREとしては、引き続き女性向けのキャリアスクールを続けていき、「
自分をちゃんと見つけて、仕事を通して個性を生かし、愛を広げていける人」を増やしていきたいです。
OSIROを導入してみて、「想いで繋がる人たちが集まると、こういう場になるんだ」というのを体感しています。そういった意味では今回のイベントも闇雲に企業や人を入れるというものにはしたくありませんでした。
OSIROとは今後もコミュニティとしてのつながりや、そういった場をつくる仲間づくりは一緒にできていけるのではないかと思います。例えば、OSIROを導入しているコミュニティオーナーの方々は、きっとビジョンに合うから横のつながりをフラットにつくりたいと思っている方が多いはずです。
そうしたコミュニティオーナーが集まる場をつくってもらったり、お互いにコミュニティを盛り上げたり、学び合えたりする仲間づくりみたいなところは、ぜひ今後も一緒にやっていきたいと思っています。
「幸せを語っていい場」をもっとつくっていきたい
Lilyさん
株式会社Lilynage 代表取締役、セルフケアプロデューサー®
日本発wellnessメソッド『リリナージュ®』を考案し、4カ国100名以上の講師を育成し広めている。20歳でエステの国際資格を取得。その後、国内外のエステサロンに10年間勤務。延べ2万人以上の 施術&カウンセリング経験から、独自の心と体の深層セルフマッサージ メソッド『リリナージュ®』を開発。今までに9万人にメソッドを伝えている。
『責める人を愛でる人に変える』をミッションに、日本と海外でのワークショップ、 講師育成、商品開発、書籍出版をおこなってる。「セルフケアの学校」という名称で、講座を開講。セミナー等を通して、美容の知識を伝えている。著書に『10日間で、あなたの体はヤセたがる。』(KADOKAWA)、『カラダをほぐせば、心もゆるむ』(Discover21)
Voicy: 『毎日の少しずつで5年後を変える』
Instagram: lilypresents
ーーまず、今回のフェスを企画・立ち上げられた経緯についてお聞きします。本イベントはどのようなきっかけから始まったのでしょうか?
Lilyさん: 本当に最初のきっかけは、昨年私が出版をした際に美玖さんと一緒にオンラインイベントを開催したことでした。その時まで美玖さんとは一緒にお仕事をしたことはなかったのですが、このコラボがとても良いと思えて、また一緒になにかしたいと思っていたんです。
ちょうど来年が私のブランドが設立10年を迎えるタイミングで、次のステップとしてなにか大きなことをやりたいと思っていて、ぜひ美玖さんとなにかをしたいと思っていました。そんな時、美玖さんがThreadsで「
今年は大きなイベントをやりたい」というような投稿をされていて、それに私がすぐに「私、一緒にやりたい!」と反応したところからスタートしました。
ーー今回のテーマは「ウェルビーイング」。Lilyさんが女性のウェルビーイングに関して持つ課題意識についてお聞かせください。
Lilyさん: 2030年になると経済的にもSDGsからウェルビーイングへと移行していくといわれています。その中で、私としては
女性の幸福度を高めていきたいという気持ちがあります。一方で、私自身は美容関係にずっといるので、業界的にはウェルビーイングとは少し異なるんです。でも、私がエステティシャンからセルフケアの仕事に移った理由は、まさに女性の幸福やウェルビーイングに関連しています。
お客様は綺麗になりたくて、お金をかけてサロンに来てくださいます。そこでお客様はなにを望んでいるかというと「今よりも幸せになりたい」「今よりも輝きたい」という気持ちだと思います。しかし、
綺麗になっていくのに心が満たされない人がとても多かったんです。
例えば、体重が減って目標を達成したのに物足りないと感じたり、二の腕が細くなったのに次は足が気になったり。常に自分に不足を持っているんです。そこで「綺麗になるのと幸せになるって別なんだ」と気づいたんです。
ーー外見の変化と内面の充足が一致しない。そのギャップを感じられたのですね。
Lilyさん: はい。このままではいつまで経っても満たされない、「
自分で自分を満たせるようにならないと、いつまで経っても心は埋まらない」と思って、セルフケアの仕事を始めました。女性の幸せをもっとサポートしたいという思いが10年前からあったので、今回、それを大きな形で実現できたという感覚です。
DSC08290.jpeg 2.78 MBーー今回のイベントは参加者の方々がお互いに自身の幸せのかたちを語り合い、温かさがありながらも活気ある雰囲気が会場を包んでいるのが印象的でした。
Lilyさん: そうなんです。やはり愚痴じゃなくて、
自分の「よき幸せ」を語るからこそ、エネルギーが上がるのだと思います。あの場では、隣の人と幸せを共有し、共鳴することで、参加者全体の気持ちが高揚していくのを感じました。
ーー最後に、実際にイベントをやってみてのご感想やLilyさんとしての気づきをお聞かせください。
Lilyさん: そうですね、女性は「幸せを語るとより幸せになれる」ともともと思っていたのですが、一方で「自分の幸せを語っちゃいけないと思っている人」も多いのだと思います。
例えば、自分が妊娠・出産を経験して言いたいことがあっても、目の前の人が妊娠に悩んでいたら、言えないじゃないですか。そういった、人の幸せを喜んだり、伝えて喜んでもらったりする環境が、普段の日常にはあまりなく、むしろはばかれる場が多いのが現状だと思います。
だからこそ、
「幸せを語っていい場」をもっとつくっていきたいと思いましたし、日常的にお互いの幸せを分かち合えることを普通にしていきたいとも思えました。そうした安心して語れる場を、これからもつくっていきたいという思いが、私の中で確信に変わりましたね。
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