突然ですが、みなさんはもし自分のオンラインコミュニティをスタートすることになったら、どのようなことから準備を始めるでしょうか。
さまざまな分野で「準備が9割」という言葉がよく語られますが、オンラインコミュニティにおいても、スタートする前の準備は、コミュニティの成功を左右する重要なステップです。
今回のテーマは、
『オンラインコミュニティをスタートするために必要な3つのこと』
オンラインコミュニティを始めると聞くとなんだかハードルが高いと思うかもしれませんが、大丈夫!これからご紹介する3つのことをひとつひとつ丁寧に準備していきましょう。
コミュニティの設計(活動の軸を立てる)
コミュニティの命とも言えるコミュニティの設計。コミュニティを成功させるためには、自身の活動の特徴を理解し、最大化させる設計を行うことがとても重要です。そのため、設計はとても奥深いものなのですが、ここでは最重要項目3つをご紹介します。
1:目的設計
まずはコミュニティの目的とコミュニティオーナーの目的をそれぞれ明確にする必要があります。
オーナー独自の価値観や世界観を打ち出しながらも、入会したメンバーと一緒にコミュニティを盛り上げていくためには、
コミュニティの目的とコミュニティオーナーの目的に重なりが作り出せていることが大切です。
2:メンバー設計
目的を設計したら、次はスタート時に人が集まるかどうかが重要です。ただ人が集まれば良いのではなく、ポイントとなるのは、目的とメンバーを一致させること。目的に共感し、一緒に目的を達成できそうなメンバーが理想的です。
熱量の高いフォロワーや独自のネットワークなど、コミュニティを立ち上げる前にそういったつながりがあるとメンバーが集まりやすい傾向にあります。
加えて、仲間との繋がり(n:n)を求めている、1:n:nで盛り上がれそうなメンバーであることも大切です。このようなメンバーが火種となってn:n のコミュニケーションが活性化していくことで、1:nに価値を感じて入会したメンバーも、だんだんとn:nのつながりに価値を感じるようになります。
コミュニティ全体として1:n:nのつながりができると、共創のコミュニティへと育っていくのです。
1:n = 【コミュニティオーナー (1) 】対【コミュニティメンバー (n) 】
1:n:n = 【コミュニティオーナー (1) 】対【コミュニティメンバー (n) 】対【コミュニティメンバー (n) 】
3:コンセプト設計
ここで言うコンセプトとは、コミュニティ全体(目的、メンバー、活動内容など)を貫く概念のこと。あらかじめしっかりとコンセプトを定めておくことが、ブレないコミュニティ運営の鍵になります。
コンセプトを考える時は、 下記の2つの視点で検討を重ねていきます。
【メンバーにとって「○○な場である」と落とし込まれているか】
コミュニティに参加するメンバーにどのような価値が提供できるのかをキーワード化して表現します。
【対外的に打ち出すコピーの骨格になっているか】
今後コミュニティのPRを行う際に、このコンセプトを軸として、伝えたいメッセージ(コピー)を展開できるかを考えます。
運営サポートしてくれる仲間/ 相談者
コミュニティをスタートする時、コミュニティの知識に加えて大切なのが、サポートしてくれる仲間や相談者の存在です。
実際の運営サポートもそうですが、コミュニティ運営に関する情報はまだまだ少ないことから、孤独な試行錯誤を重ねる中で、継続的にサポート・伴走をしてくれる仲間や相談者の存在は精神的な支えにもなります。
このような仲間や相談者は、コミュニティのフェーズによっても変化していきます。コミュニティをスタートする時は、
一番身近な存在である家族やパートナー、現在のチームメイトがまずこれにあたるでしょう。また、より円滑にコミュニティの立ち上げを進めるために、
コミュニティのプロ・スペシャリストを加えるという選択肢もあります。
コミュニティが立ち上がり、次第にメンバーが増えていくと、コミュニティをマネジメントする必要性が出てくるため、
コミュニティマネージャーと呼ばれる存在が重要になってきます。この頃には、メンバーもコミュニティになじみ、すっかり「仲間」となっていることも多く、メンバーをうまく巻き込みながらコミュニティ運営を行なっていくケースもあります。
プラットフォーム選び
実際にコミュニティを運営する場となるプラットフォーム。プラットフォーム選びは、自身の活動のコンセプトと特徴を理解し、それらに適したプラットフォームを吟味することが大切です。
一般的な選択肢は、大きく分けて2つあります。
1:ゼロからの自社制作
まず考えられるのは、自社でプラットフォームを制作するケースです。既存のファンクラブなどがこれに近いかもしれません。
自分たちでゼロから制作する分、独自機能の追加などカスタマイズ性は高いですが、サイト構築やオンラインコミュニティに関する知識が必要になります。
2:外部プラットフォームの活用
Facebook等のSNSを利用する場合と、コミュニティに特化したプラットフォームサービスを利用する場合があります。
前者の場合は、コストは抑えられますが、コミュニティに特化したサービスではないため、ユーザビリティの面でやや劣るというデメリットがあります。
それに比べて後者は、プラットフォーム利用料がかかりますが、コミュニティに特化したサービスのため、各社がコミュニティ運営に必要と考える機能を提供しています。ただし、自社制作のようなカスタマイズはできない場合がほとんどです。
コミュニティに特化したプラットフォームサービスはそれぞれ個性があるため、機能や強みとするコミュニケーションスタイル(例えば、チャット、ライブ配信)、インターフェースなど、それぞれの特徴を理解し、自身のコミュニティにあったプラットフォームを選ぶことが重要です。
そして、みなさんがプラットフォームについて検討する際、同時に考えることになるのがマネタイズのことだと思います。
オンラインコミュニティは、毎月の会費で売上があがりますが、運営の人件費も大きなファクターになります。売上以上に人件費がかからないよう、コミュニティマネージャーの役割の設計や、メンバーが主体的に動くような「自走するコミュニティ」にするための仕掛けをすることが大切です。
プラットフォーム選びの際は、ぜひこの視点も取り入れながら、検討してみてください。
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いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した3つのことは、どれひとつが欠けても、コミュニティの成功は実現しません。
準備している時は、あれもこれもしなきゃいけなくて大変だなと思うこともあるかもしれません。でも、そんな時もぜひ準備を楽しんでほしいと思います。
オンラインコミュニティのスタートに向けて何を準備するかはもちろんですが、どのように準備をするか、つまり
コミュニティオーナーがどんな想いで準備をするかも大切だと思うのです。
どれだけ楽しんでいるか、その楽しい雰囲気が、運営をサポートしてくれる仲間やコミュニティのメンバーを引き寄せ、オンラインコミュニティの空気感につながっていくのではないでしょうか。
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村山 愛津紗
コミュニティアドバイザー / ライター
広告代理店、クラウドファンディング運営会社にてコミュニケーションデザインを担当後 独立。 最近は執筆やコミュニティ運営のサポートを行っている。 自身も複数のオンラインコミュニティにメンバーとして参加し、生き方、暮らし方の変化 を日々体感中。