『ゼロトレ』著者、株式会社Life is Wellness代表の石村友見さんをお呼びした「OSIRO OWNER SPECIAL INTERVIEW」第12弾。
OSIRO OWNER SPECIAL INTERVIEW オシロ株式会社の代表取締役社長である杉山博一によるオーナースペシャルインタビュー。今回のゲストは、シリーズ125万部を超えるベストセラー書籍『ゼロトレ』の著者であり、オンラインコミュニティ「TEAM ZERO New York」(以下、TEAM ZERO)を運営する石村友見さん。独自メソッド『ゼロトレ』やヨガ講師として、長年女性の心身をサポートしてきた石村さんがコミュニティ運営で見出したもの、現在注力するウェルネスの普及の意義についてお聞きしました。
TEAM ZERO シリーズ125万部『ゼロトレ』著者であり、株式会社Life is Wellnessの代表を務めるヨガ講師の石村友見さんが主宰するコミュニティ。同じ目標や悩みを持つ仲間と「一つのチーム」として励まし合い、交流しながら、独自メソッド『ゼロトレ』を始めとするさまざまなアクティビティを通じて、「つながる、変わる、羽がはえる。」を体感する新感覚オンライン・ジム。https://teamzero.online/about 4年にわたるコミュニティ運営で腑に落ちた「つながり」の大切さ
杉山博一(以下、杉山): 今日こうして石村さんにお話をうかがえることをとても嬉しく思います。僕たちがオンラインコミュニティ「TEAM ZERO」の立ち上げをお手伝いさせていただいたのが4年前。現在のTEAM ZEROは定着率が高く、解約率もとても低い。コミュニティの立ち上げ当初からメンバー数も着実に増え、安定して成長を続けていますね。
石村友見さん(以下、石村): ありがとうございます。この4年間は、コミュニティの盛り上がりをいかにキープするのかが一番大変だったことかもしれませんね。熱量の乱高下をつくらないような運営方法を模索していき、徐々にコミュニティとして安定した運営ができるようになりました。
今はオンラインコミュニティとしての盛り上がりを、いかに外に広げることかを考える段階にきていると思っています。最近ではTEAM ZEROのメンバーとのつながりもしっかりと維持しつつもSNSの発信などにも注力するようにしていて、私自身のアウトプット量も増やすようにしています。
杉山: そのようなアウトプットの一つが、
2024年に発売された新著『 Life is Wellness 』 ですね。
石村: 『Life is Wellness』を出すと同時に、私が経営する会社の社名も同名に変更しています。その理由はこの本の内容に通底する
「つながり」というものが、最近になってやっと腑に落ちてきた からです。
私はTEAM ZEROを立ち上げた当初から、「仲間をつくって、応援したり応援されたりする『つながり』が大切」と話していました。しかし、今振り返ると私自身もその大切さはわかるものの、しっかりと言語化ができていなかったと思います。
しかし、
TEAM ZEROを運営していくうちに、応援することや応援されることの本当の意味、そして「つながり」をつくるとはどういうことなのかが、少しずつわかってきた んです。
杉山: 現在では「つながり」が人間にもたらす効能について、優れた研究結果やエビデンスがどんどん出てきています。そして、現代になり人々の「孤独」という、大きな社会問題が浮き彫りになっている。
石村さんの著書には、そのような「つながり」についての大事な要素を凝縮し、的確に解説した一冊 になっていると感じました。
石村: 孤独感が早死や過食を引き起こすトリガーとなっているという科学的なデータが、ここ最近でようやく明らかになってきていますね。
「つながり」の大切さは、もはや精神論ではなく、科学的な事実として扱える段階に来ている んです。
そのような背景から、現在欧米では「ウェルネス」が大きな注目を集めていて、今後はより大きなトレンドになり、近い将来日本でも広がりを見せていくと思います。
しかし、現状ではウェルネスのことを正しく世間に伝えられる人が少ないのが課題です。欧米とアジアを知る私だからこそできることがあるのではないかと考え、『Life is Wellness』を著しました。
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自己受容感を育み、シェアすることで生まれる「幸福の波及効果」
杉山: 社名変更や著書の執筆は、今後の方向性を示す大きな一歩であったと思います。石村さんはなぜウェルネスに着目するようになったのでしょうか?
石村: 私は「体からのアプローチが心を健康にする」と信じて20年間活動してきました。しかし、TEAM ZEROに入ってくださった方の中には、どんなにきれいにボディメイクができても「私なんかきれいじゃないです」と、自分の姿を受け入れられない方もいました。
そういった方はいくら身体を健康にしてもまた元に戻ってしまい、「やっぱり私はダメなんだ」と変わることを諦めてしまいます。そういった姿を見て、体へのアプローチだけでは不十分だとわかったんです。それならどうすべきかと考えた時、私はウェルネスに着目しました。
WHOではウェルネスを「身体的、精神的、そして社会的に健康で安心な状態」と定義していますが、これだけでは漠然としていて腑に落ちません。そこで、私が
これまでボディメイクやヨガによって身につけた心身のあり方への学びや知見を合わせ、現代におけるウェルネスの必要性を言葉に落とし込んだ第一冊目が『Life is Wellness』 です。
杉山: 石村さんは本著で「
自分自身とのつながり 」と「
自分と他者のつながり 」の2つの側面に着目されていらっしゃいますね。
石村: 私たちは社名変更に合わせて、企業理念も「
みんなに笑みを。でも、まず自分に笑みを。 」に刷新しています。まずは自分とつながりをもつことが大切で、実践する場がTEAM ZERO。そのような事業の位置付けを考えて策定しました。
杉山: とても素敵な企業理念ですね。そもそも、どうして人々は自分とつながれなくなってしまったり、自分を否定したり、大事にできなくなってしまうのでしょうか?
石村: 現代に生きる私たちは、常に社会から「自己肯定感へのプレッシャー」を受け続けています 。SNSのフォロワーの多寡や仕事での昇格スピード、事業の業績など、自分がやった行為や現時点での状況に対して「それがあなたのレベルです」とはっきりジャッジされてしまうためです。
自分自身への評価もそれを基準にしてしまうため、自己肯定感が満たされず辛い状況になってしまう。
そういった社会や他者からの評価は、私たちのDoing(行為や行動)と地位や肩書、ステータスなどのHaving(持っているもの)しか見ていません 。
杉山: たしかにそうですね。例えば、SNSの投稿に対する「いいね」の数は一過性の喜びに過ぎず、本質的に自己を満たすことはありません。むしろ、他人のキラキラした投稿をみることで、劣等感や孤独感を感じてしまう人も増えているように思えます。相対的な評価で自己肯定感を満たそうとするのは、穴の空いた器に水を注ぎ続けるようなものです。
石村: だからこそ、
自己肯定感を高める前にまずは「自己受容感」、つまり長所も短所も含めて「ありのままの自己」(Being)を受け入れる心を育んだ方がいい んです。そういった自己受容感が土台にあるからチャレンジができて、失敗してもまた戻れる。でも、多くの人は逆の順番で考えてしまっているんですね。
杉山: では、TEAM ZEROではメンバーの方々が自己受容感を育むために、どのような取り組みがされているのでしょうか?
石村: TEAM ZEROではメンバーの方々が自己受容感を高め合えるような場づくりに注力しています。具体的には、
自分自身のありのままの姿を気軽に発信できるようなカルチャーの醸成 があります。私自身も日々の暮らしや活動を赤裸々に綴っていく『パジャマですみません』という投稿を行っています。そうしていくことで、メンバーの方々も「ウエストがこんなに細くなりました」「今日こんなレシピを作っておいしかったです」と気軽に投稿してくれるようになりました。
そのようなカルチャーが醸成されていくと、メンバー同士で「私もやってみよう」と実践して自己受容感が育まれ、さらにその輪が広がっていく「
幸福の波及効果 」が生まれます。イエール大学ニコラス・A・クリスタキス教授らの研究によれば、
幸福感は直接の知人、知人の知人、そのまた知人と三次の関係性にまで波及していき、それぞれの幸福度を約15%、約10%、約6%向上させる ことがわかっています。
TEAM ZEROで生まれた「幸福の波及効果」はコミュニティの中でだけにとどまらず、家族や周囲の人へと波及していく んです。
一方で、ただ自分の成功体験を自慢するだけではなくて、逆に失敗したことや落ち込んでいることなども気軽に投稿されています。そのような投稿を見ることで、「私も失敗してた」「私だけじゃないんだ」という共感が生まれ、徐々に自己受容感が高まっていくんです。
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TEAM ZEROは「人の役に立ちたい」を分かち合っているコミュニティ
杉山: メンバーの自己受容感を上げていくことに、コミュニティが作用している。とても興味深いですね。そのようなコミュニケーションはどのようにして生まれるのでしょうか?
石村: ウェルネスを考える上で大切なのは「
誰かに命じられてやるのではなくて、ついやってしまう 」なんですよ。ウェルネスとヘルスは日本語に訳すとどちらも「健康」と訳されますが、ヘルスケアは身体にフォーカスし、マイナスからゼロに戻すため「やりたくない」ことをするのに対して、
ウェルネスは心身と人生全般を対象としていて、人生を積極的に楽しもうとするポジティブな取り組み を指します。
TEAM ZEROのメンバーには決して発信や交流を強制したこともなくて、むしろ
自分が体験したり実践してよかったことを「ついシェアしてしまう」、それをみた他のメンバーさんが「つい真似したくなってしまう」が自然と生まれていて、気づかないうちに自分ごとへと変わっていく 。そんなコミュニケーションのサイクルが生まれていると感じています。
杉山: 石村さんのお話を聞いていると、コミュニティの効能がよく表れていると思えます。最初にコミュニティに入ったきっかけは、なにかしらの課題や悩みがあり、その解決を期待しているものです。そこで手ほどきや学びがあって少しずつ改善されていくと、自然と自ら経験をシェアしたり、他のメンバーを応援したくなる。
つまり、
他の人の役に立てる存在でありたいと考える「コントリビューター」(貢献者)に変わってくる んですよ。それが見事に起きているのがTEAM ZEROであり、素晴らしいコミュニティの証です。
石村: そのようなコミュニケーションを生むためには、運営側がしっかりと言語化して、伝えて続けていくことも大切 です。特に日本人の気質として「でしゃばってはいけない」という感情が先行してしまい、一歩下がってしまう方も多いんですよ。
そのため、私の方から
「あなたの努力する姿をシェアすることが波及効果を生み、みんなを幸せにしていくんですよ」 としっかりと伝えています。そうすることで、メンバーの皆さんの心の鎖が外れて、気がねなく発信してくれるようになりました。
杉山: 僕としても、目指したい姿を言語化することと「伝え続ける」ことの大切さと、思ったように伝わらない難しさは、日々事業をつくっていくなかで実感しています。
石村: 最初は本当に困っていたのが正直なところです。例えば、イベントを開催する時、私も含めて運営スタッフが舞台俳優の出身なので、どうしても一生懸命プロっぽくしてしまうんですよ。イベントのクオリティ自体は高くなるのですが、本気すぎて「ちょっと怖い.......」と思われてしまったりもして(笑)。
どうしたらいいんだろうと悩んでいたところに、TEAM ZEROのメンバーが運営スタッフとして入ってくれることになりました。マンガの主人公が非の打ち所がないほど完璧だとつまらなくなってしまうように、コミュニティの運営側も完璧を求めすぎてしまうと近寄りがたくなってしまいます。むしろ、自分の弱いところを見せていった方がいいと教えてもらえた体験でした。
運営スタッフのがんばりだけではコミュニティは盛り上がりません。運営側とメンバーはお互い持ちつ持たれつの関係で、
お互いに「人の役にたちたい」という気持ちをシェアしているからこそ、TEAM ZEROは素晴らしいコミュニティになった と感じています。
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人手不足が深刻な今、企業の中には「つながり」をつくる場が必要
杉山: コミュニティはこれまで、なくてもよいもの、無駄なもの、不必要なものと評価されていたと思います。でも、現在ではそのような価値観が見直されつつあり、実は人間らしく生きていくためには欠かせないものだったことが、少しずつ解明されつつあるのがこの数年だと思います。
石村: 現在、日本では少子高齢化が進行し、社会における孤独の問題は今後より顕在化されていくと思います。そうなった時、
孤独がいかに健康状態を侵していくのかについてしっかりと社会が認知し、適切なケアを行っていくべき だと思っています。
先日、私のVoicyで投稿した「
本当に苦しい時、あなたは誰に相談しますか? 」でもお話ししましたが、アメリカ、特にニューヨークでは一人ひとりにかかりつけのセラピストがいて、カジュアルに通っているんです。日本もメンタルヘルスを含めウェルネスについてもっと認知が進んでいって欲しいと思っています。
特に人手不足が深刻になりつつある企業にとっては、従業員がウェルネスへの意識を高めることは離職率の低下やエンゲージメント向上など、さまざまな効果が期待できる ものです。社内プロジェクトとして心身の健康、そしてつながりについて考え、理解を深めていく場をつくっていくべきだと考えています。
杉山: 会社ではDo(結果や成績)が求められます。もちろん非常に重要なのですが、僕は会社であってもBe(自分自身の本来の姿)でいられる場も必要だと考えています。
先日、僕の連載記事(note)で『
職場だけど「サードプレイス」そんな居場所が必要だ 』という記事を書きましたが、最近は従業員のエンゲージメントやコミュニケーションに課題を持っている企業さんが多いです。特に現代はM&Aが多いので、企業文化がまったく異なるA社とB社が合併し、一つの企業になってしまうこともあります。
そのため、
点でバラバラになっている企業組織をワンチームになっていくための場を、オンラインコミュニティでつくっていきたいというニーズが確実に増えている んです。実際、ここ最近では数万人規模の企業が導入いただいたり、立て続けにお引き合いもいただいています。
今までのお話を聞いていると、そういった社内コミュニティの醸成を支援していくにあたり、石村さんとコラボレーションできる機会もあるのでは、と思いました。
石村: とても興味深い話ですね!ぜひお手伝いしたいです。 私もニューヨークを行き来しながら会社を経営していますので、時差が14時間もある中でチーム内で円滑なコミュニケーションをとっていく難しさがあるのはよくわかります。そういったなかでも
私たちが上手くコミュニケーションが取れているのは、やはりスタッフの人となりをしっかりと知っているからこそ だと思っています。
杉山: たしかに業務上のコミュニケーションを効率的で円滑にしていくことはとても大切です。ただ、本当の意味での連携を生むためにはそれだけでは不十分だと思っています。それなのに、雑談は無駄な時間ということで推奨されていなかったりします。それで人と人が仲良くなることはとても難しいです。だからこそ、
Beの部分でコミュニケーションがとれる場を企業の中に用意して、お互いの理解を促進していくことが求められています 。
石村: アイデアの源泉になるのは、業務以外での何気ない雑談だったりしますよね。
杉山: おっしゃる通りです。企業が生産性を上げるために第一に考えるのは効率化だと思いますが、それには限界があります。
生産性向上のカギとなるのは従業員の「幸福度」の向上 です。
『ハーバードビジネスレビュー』2012年5月号の「幸福の戦略」でも取り上げられていますが、
従業員の幸福度と生産性は相関関係がある ことがわかっています。
業務の効率化を切り詰め従業員を消耗させていくのではなく、仕組みとして従業員の幸福度を上げていく 。そんなアイデアを石村さんとつくっていきたいですね。
石村: 今現在、日本ではウェルネスという言葉や概念は曖昧に捉えられています。それをもっと自分ごととして捉えていただくためには、知識を持った人がさまざまな場で伝えていくことが大切だと考えています。私個人でも毎年ウェルネスに関する本を出していこうと考えていますが、企業様との取り組みも進めていきたいと考えていたところです。ぜひ協力させてください。
杉山: そう言っていただけるのはとても嬉しいです! TEAM ZEROは今後何千人、何万人と増えていくポテンシャルを持っていると思っています。今後とも豊かなコミュニティへ醸成されるよう全力でサポートさせていただききます。本日はありがとうございました!
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石村友見 | Tomomi Ishimura 株式会社Life is Wellness代表 シリーズ125万部『ゼロトレ』著者、ヨガ講師 ハーバード大学医学部「Health and Wellness講義」講義修了 劇団四季で『ライオンキング』に出演後、単身ニューヨークに渡り、ブロードウェイ・ミュージカル『ミス・サイゴン』に出演。その後ヨガスタジオを設立し、レッスンからヨガ講師の育成まで尽力。2018年に発表した著書『ゼロトレ』はシリーズ120万部の記録的ヒットとなり、『金スマ』『世界一受けたい授業』など多くのテレビ番組に出演。 その後、ハーバード大学医学部「Health and Wellness」講義にて、ウェルネスの観点から世界最先端の栄養学をはじめ運動、コミュニケーションについて学ぶ。人々が「いきいきとした人生」をおくれるように、体と心の両面からサポートすることをミッションとし、レッスン、書籍、講演、インスタグラム、Voicyなどでウェルネスの普及を行っている。また、自身が運営する女性専用ダイエットジム「TEAM ZERO」では、体と心を変えたい女性たちに向けて個人レッスンや勉強会を開催している。そのほか、企業研修や企業とのコラボ、商品開発プロデュースなど多数。Life is Wellness公式ホームページ 女性専用ダイエットジム「TEAM ZERO」 Instagram Voicyチャンネル「石村友見のゼロトレラジオ」
杉山博一|Hirokazu Sugiyama オシロ株式会社 代表取締役社長 24歳で世界一周から帰国後、アーティストとデザイナーとして活動開始。30歳を機にアーティスト活動に終止符を打つ。フリーランスのデザイナーを経て、日本初の金融サービスを共同で創業(2024年上場)。退任後、ニュージーランドと日本の2拠点生活を開始。30歩で砂浜に行ける自分を豊かにするライフスタイルから一転、天命を授かり「日本を芸術文化大国にする」という志フルコミットスタイルに。以降東京に定住し、2015年クリエイター向けオウンドプラットフォーム「OSIRO」を開発。2017年オシロ株式会社設立。note連載「偏愛物語」 X(旧Twitter) Instagram