オンラインコミュニティでは、メンバー同士の交流が自然に生まれ、関係性が深まることが、活発な場づくりの鍵になります。本記事では「最初の接点 → やり取りの継続 → 関係の深化」という3ステップに沿って、会員同士が仲良くなるプロセスを、具体例を交えて解説します。
オンラインコミュニティを始めようとしたとき、多くの運営者の方々が不安に感じること。それは「オンラインコミュニティって、本当に盛り上がるの? 」だと思います。 リアルの場と違い、オンラインでのコミュニケーションは自然に雑談が始まるような交流が起こりにくいイメージがあると思います。一方で、オンラインコミュニティのようなクローズドな場で、利害関係のない会員同士だからこそ話せることや、打ち明けられる悩みなどがあることも事実 です。 オンラインコミュニティでそのような「人と人が仲良くなる」関係性を醸成していくためには、どのような工夫が必要なのでしょうか? 本記事では、OSIROがこれまでサポートしてきた事例や分析データをもとに、オンライン上で人と人とがつながり、仲良くなっていくパターンを解説します。
🔍本記事でわかること ・オンラインコミュニティで“なぜ仲良くなる”のか?3ステップの仕組み ・会員同士の最初の接点を生む具体パターンとは? ・やり取りを継続させ、関係性を育む方法 ・一気に交流が深まる「関係の深化」が生まれるプロセス ・設計視点で実現する「交流が生まれやすい導線」まとめ
オンラインコミュニティで「仲良くなる3ステップ」:最初の接点→継続→関係深化
オンラインコミュニティで「会員同士が仲良くなっていくプロセス」は、以下の図のように「
①最初の接点 → ②やり取りの継続 → ③関係の深化 」という3ステップが大切になります。
会員同士が仲良くなる3ステップ.png 622.31 KB オンラインコミュニティにおける「会員同士が仲良くなっていくプロセス」の3ステップの図解 そのなかでも、いくつかのパターンがあることがわかっています。それぞれの代表的なパターンを見ていきましょう。
ステップ①「最初の接点」:いいね・コメントによる軽い交流が生まれる
最初のつながり方は、大きくは3つに分類できます。
・投稿(ブログやつぶやきなど)への「いいね」やコメントをする ・お互いのプロフィールを覗く ・同じイベントへの参加(コメントしなくても“同じ場にいた”という安心感)
この時点は、「仲良くなる」の前段階として、顔見知りのような関係になる段階といえます。ただ、“相手を認知する”という意味では非常に大切なフェーズ です。 実際、初投稿にコメントやリアクションがあった会員さんは、他の会員さんのコメントに積極的にコメントやリアクションをする ようになります。このようなお互いにリアクションをし合うカルチャーが醸成されることによって、初期の段階から相互理解が促進される流れが生まれます。 お互いがどのような人柄で、どのような興味関心を持っているのかを知る。そして、お互いの発信に気軽にリアクションやコメントができる。このような仕組みをうまく設計できると、ユーザー同士が気軽に交流できる機運が生まれ、コミュニティ全体が活性化する あたたかい場になります。
ステップ②「やり取りの継続」:雑談トピック&投稿誘導で関係を育てる
次の段階では、何らかのテーマや話題で“何度かやり取りを重ねる”ことで会員同士の交流が継続し、関係構築が進む ようになります。
・一方が継続的にコメントを送る ・お互いに投稿を見合い、コメントし合うようになる ・好きなテーマが重なって自然に会話が生まれる
このステップでは、偶然ではなく“継続的なコミュニケーション”が生まれることが鍵 になります。だからこそ、毎日気軽に投稿したくなるような「雑談トピック」や「今月のお題」など、会員の方々が気づいたらオンラインコミュニティを覗き、自分もつい発信したくなるような種を運営側から撒いていく仕組みが有効 です。
ステップ③「関係の深化」:共体験で交流が加速する仕掛けをつくる
そして、一定期間を経て「ユーザー同士の関係性が一気に深まる 」瞬間があります。
・同じプロジェクトに関わる、一緒に何かを作る ・イベントで同じチームになるなど、体験を共有する ・プライベートの意外な共通点(地元・趣味・仕事など)が見つかる
このように、“共体験”や“感情の共有”が生まれると、仲の良さは急激に深まる傾向 があります。オンライン/オフラインに限らず、イベントやプロジェクト、ワークショップなどを通じてコミュニティならではの共体験を設計することがポイントです。
まとめ:オンラインコミュニティは「交流が生まれやすい動線や場の設計」が大切!
「最初の接点 → やり取りの継続 → 関係の深化」の3ステップは、会員同士のつながりが自然に生まれていく基本の流れです。 このプロセスを意識しながら、会員同士の交流が自然に生まれやすい導線や、関係性の構築を促進する場 を丁寧に設計することで、メンバー同士の関係性は少しずつ深まり、やがて“ここにいたい”と思えるあたたかな場所へと育っていきます。 本記事ではオンラインコミュニティで交流が生まれるプロセスについて解説しました。一方で、気になるのは「具体的にどのような工夫をすれば会員同士の交流が生まれやすくなるのか 」だと思います。 以下の関連記事では、OSIROでオンラインコミュニティを運営する方々が実際にやっている「交流を促す工夫」について紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
💡本記事のまとめFAQ Q1. オンラインコミュニティで交流が生まれやすくするコツはあるの? A. オンラインコミュニティの中で会員同士が仲良くプロセスには「軽い接点→継続したやり取り→共体験による関係深化」の3ステップがあります。これを意識してコミュニケーションやアクティビティが設計されていると、自然な交流が育まれます。段階的な関係構築がカギです。Q2. 最初のステップで意識すべき「接点づくり」とは? A. いいねやコメント、リアクションなどの「軽い反応」を起点にした導線をつくることが大切です。また、オンラインイベントや自己紹介スレッドなど、「コミュニケーションのきっかけ」になる場を用意しましょう。Q3. 投稿ややり取りが続かないときは、どうすればいい? A. 「雑談トピック」や「今月のお題」など、投稿のテーマを定期的に提示すると、発信のハードルが下がります。反応が返りやすい工夫を入れると、やり取りが自然と継続します。Q4. メンバー同士の関係が深まるきっかけは? A. 「共体験」が有効です。共同で何かに取り組んだり、学び合ったりするプロジェクトやイベントを設計することで、一気に関係性が深まり、交流の質が変わります。Q5. どうすれば「交流が生まれやすいコミュニティ」を設計できますか? A. 「軽い接点→継続したやり取り→共体験による関係深化」の流れを意識した交流のステップ設計がポイントです。投稿のきっかけや、反応しやすいUI、安心感のある場づくりを整えることで、関係性の土台が生まれます。
OSIROはコミュニティをただ“作る”ためのプラットフォームではなく、「交流を生み出すコミュニティ設計」もサポートしています。 「人と人とのつながりを育むための土壌づくり」こそが、私たちが本当に支援したい部分です。
・メンバーの最初の一歩を後押しする導線 ・コメント・リアクションがしやすい仕掛けづくり ・継続的な関係性を築くためのコミュニティ設計 ・参加者タイプ別のアプローチ(見る専・投稿好きなど)
私たちは、このような細かなコミュニティ設計を運営者の皆さまと一緒に考え、伴走しながら育てていきます。 また、OSIROではオンラインコミュニティ内での交流がどれほど活性化しているかを定量的に分析できる機能も豊富です。
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