2025年1月、OSIRO開発当初から一人目のエンジニアとしてジョインし、現在までOSIROの開発・運用を担ってきた西尾拓也(nick)さんが、オシロのCTO(最高技術責任者)に就任しました。私たちのプロダクトであるコミュニティ専用オウンドプラットフォーム「OSIRO」の開発がスタートしたのは、創業の約2年前にあたる2015年3月のこと。現在までOSIROのプロダクト開発をけん引し続けてきたnickさんに、CTO就任の経緯と今後の展望を聞きました。
オシロは「困っている人の課題を解決したい」マインドが強い会社
DSC03699.jpeg 8.83 MBーーnickさんはオシロ一人目のエンジニアとしてOSIROをゼロイチから開発し、現在も開発・運用をけん引し続けています。これまでを振り返って、OSIROはどのような成長を遂げてきたのでしょうか?
nick: その時々に必要なことをやり続けてきた結果が、今のOSIROにつながっているという感覚があります。OSIROをご利用いただくお客様はさまざまなニーズを持っていますし、エンドユーザーの方々が求めていることも多種多様です。さまざまなニーズやご要望に応えていき、
時には後戻りをしながらでも課題に向き合い、一つひとつの解決に取り組んでから前に進んでいく。そんな成長の仕方だったと思っています。
ーー決してまっすぐな一本道ではなかった?
nick: そうですね。ベンチャー企業の多くは短期間での上場をゴールに定めて、シンプルなソリューションを考え、無駄を削ぎ落としたプロダクトを開発していると思います。しかし、
オシロはオンラインコミュニティという明確なソリューションや答えがない、多様性に富んだ領域で事業をしています。そのため、プロダクトとしてもマルチファンクションが求められます。
それこそ僕たちが開発をスタートした2015年頃は、プラットフォームも1つか2つくらいしかなくて、ごく一部の人だけがオンラインコミュニティを運営しているという状態です。定義もかなり曖昧で、世間的な認知もなかったのでオンラインサロンと一括りにされてしまうこともありました。
現在では徐々にオンラインコミュニティが認知され始めて、それに合わせてさまざまな形のコミュニティが生まれています。コミュニティが多様化していくとともに、より広範になるニーズに応えていくことが求められていると感じています。
ーーnickさんが現在までOSIROの開発を担ってくださっているのは、オシロにとって大きな宝だと思います。そんなnickさんから見て、現在のオシロはどのように映りますか?
nick: 変わり続けている部分もありますが、変わらないところもあります。
オシロは「目の前にいる人の課題や困っていることを解決したい」というマインドが強い会社だと思っています。そこは本当に変わっていないし、企業としての魅力になっていると思っています。
ーー組織として課題に感じていることはありますか?
nick: 明確に変えようとしている部分もありますね。例えば、僕がビジネスサイドを見るようになってからCSのメンバーに「プロダクト開発部の人たちは優先度を見て判断しているのはわかるけど、その優先度がどのような基準で判断されているのかがわからない」と言われたことがありました。情報共有自体は以前からしていたんですが、機能開発などの意思決定をした際の理由までは説明しきれていなかったんです。
そういったコミュニケーションが続いていくと、プロダクト開発部に対して相談しづらくなったりとか、改善点をキャッチアップできないようになってしまい、プロダクトの成長を停滞させてしまうことにもつながります。そのため、現在はプロダクト開発部としての方針を共有しながらもいろんな人の意見を聞いて、
開発に関わる意思決定にはしっかりと合理的な説明をしていったり、具体的な計画を話していっています。
今後オシロが成長するためには「意思決定に責任を持つリーダー」が必要だと考えた
DSC03685.jpeg 9.31 MBーーCTO就任は杉山さん(オシロ 代表取締役社長 杉山 博一)から打診されたようですが、それはいつ頃のことだったのでしょうか?
nick: 昨年の10月ぐらいですね。ちょうどオシロの第4四半期が始まった頃だったと思います。経営層の中では結構前からそういう話があったようですが、「役職を設けるとメンバーの自由度が下がって動きにくくなってしまうのでは」という意見もあったそうで、杉山さんとしても迷いがあったと聞きました。
ーーオシロはコアバリューに「DIALOGUE BASE」を掲げているように、フラットな対話を重視するカルチャーがあります。CTOという役職を設けるのも、慎重に検討を重ねていったのですね。
nick: 僕としても、
オシロのフラットなカルチャーは間違いなく良いところであり、今後も維持していきたいと思っています。しかし、
今後組織としてオシロを育てていくとしたら、やはり意思決定に責任を持つリーダーがいることは大切だと思うんです。
ーー実務と経営をつなぎ、根本的なベクトルを合わせる役割も必要なフェーズになってきているということでしょうか?
nick: そうですね。僕が就任してからは特に取り組んでいきたいと思っているところです。
杉山さんのやりたいプロダクトのあり方を、僕たちプロダクト開発部ができるだけ実現していくと同時に、それがお客さんにとって素晴らしい体験を提供できるものとして実装していく。そんなことをやっていきたいと思っています。
ーー正式に就任すると決めるまでには悩んだと聞きました。
nick: 1週間ほど悩みましたね。 杉山さんから「経営面については徐々にキャッチアップしていけばいい、nickならできる」と言ってもらえたので、基本的にはやりたいと思ってはいたんです。でも、やはりエンジニアサイドと経営サイドをつなげていくためには経営についての知識はあった方がいいし、意思決定に対しての責任も大きくなります。それに対しての自信がなかったのが正直なところで「1週間だけ考えてもいいですか」と時間をもらったんです。
ーーそれでもnickさんはCTOに就任する決意をしました。最終的に就任を決めたのはどういった理由なんでしょうか?
nick: エンジニアのマネジメントについては、今までやっていることとの延長線上にあることは容易に想像がついたことが1つと、経営面については僕のポテンシャルを見越して就任を打診してもらったことがあります。それならば自分自身の成長の機会としてもやるべきだと考えました。
加えて、これまでは経営やビジネスサイドから強い要請があって、合理的な検討をせずに開発せざるをえない状況になってしまうこともありました。今振り返ると、
エンジニアとしての知識のあるリーダーがしっかりと向き合い同じ立場で議論できていれば、よりよいアウトプットや解決策が生まれていたと思います。今までもやっていなかったわけではないのですが、会社もプロダクトも成長してきた現在は、もっとそこにコミットしていくべきだと思ったんです。
あとはシンプルに、「役割と肩書の説明がめんどくさかった」ということもありますね(笑)。これまではリードエンジニアと名乗っていましたが、社外の人からしたら「じゃあ他にCTOやVPoEがいるの?」「nickさんのその役割って、もっと上の立場なのでは?」と聞かれることが多く、自分が担っている役割に対して名乗っている肩書が少しまどろっこしい印象がありました。
ーーCTOという肩書がついたことで、nickさんの役割や動き方もクリアになり、オシロ全体としても好影響になっていると思います。nick: 僕としても考えが明確に変わったと思っています。エンジニアは技術的な部分で手を動かすことで事業貢献できる部分もあるのですが、それ以外にも
自分たちがつくった機能をセールスやCSチームのメンバーが武器にできるような説明をしていくことも大切です。CTOに就任したのは2025年1月からですが、就任を決めた2024年10月からは他チームと連携し、事業貢献ができる動きを強く意識するようになりました。
CTOとして、オンラインコミュニティの価値をしっかりと届けていきたい
DSC03672 2.jpeg 2.91 MBーーCTOとしての今後の方針や展望についてお聞きしたいです。
nick: OSIROが開発思想としている「人と人が仲良くなる」ことで、コミュニティがしっかりと活性化していく。これがプロダクト開発部の基本方針です。現在ではOSIROをご導入いただくお客様もとても幅広くなっていますが、共通するポイントはやはり「人と人が仲良くなる」だと思っています。 この部分はぶらさずにしっかり取り組んでいきたいです。
改善施策の面では、「コミュニティマネージャーのAI化」を加速させる足掛かりとして、いろいろなチャレンジをしていきたいと考えています。例えば、生成AIを使った自動化については展望が固まりつつあるので、近々リリースしたいと思っています。
また、
社内的な面でいえばエンジニアサイドとビジネスサイドのコミュニケーション量を引き続き増やしていく。これは組織課題でもありますが、これまで杉山さんのやっていきたいこととプロダクトの方針が部分部分で共有されてはいるものの、あまり地続きになっていないと感じていました。そのため、今後はプロダクト開発部が他のチームの方針を理解した上で、僕の方からこれからのプロダクトの方針を伝え続け、浸透させていくのが大切だと思っています。
ーープロダクト開発部としての今後の成長についてもお聞きしたいです。
nick: 少数精鋭でも最大限の成果を出していきたいと思っています。ただ闇雲に人を増やしても、開発が効率よくスケールするわけではありません。その分、メンバーにはセルフマネジメントの力量も求められますが、そういったところは僕がPM業務を担うことによってメンバーをサポートしていきたいと思っています。
最終的には
メンバー主導で機能開発や改善の提案をして、実装まで進めていけるような自走できる組織を目指していきたいですね。
ーー1人のエンジニアとして、オシロで働くことやOSIROを開発していくことの楽しさはどういったところにあると思いますか?
nick: コミュニティそのものをビジネスにしているオーナーさんもいらっしゃるので、
自身が開発・運用するプロダクトで自社だけでなくお客様の事業にも貢献できる点があります。僕個人としても、あんまり使われないプロダクトを開発したくないと思っています。使ってくれている人が一定数いて、
一つひとつの開発に必ず意義があるのことはありがたいことですし、エンジニアとしておもしろいところだと思ってますね。 ただ、開発してから9年が経つ長いプロダクトではあるので、技術的負債などにも向き合っていく必要があります。そういった改善にも楽しく付き合える人がオシロには向いていると思っています。
僕個人の話をすれば、
今までオシロに在籍し続けてきた大きな理由は、やはり「任せてもらえている」という感覚があるのがとても大きいです。もちろん制約条件もありますが、それをクリアすれば一定の範囲で自由に開発できる。そういったエンジニアとしての楽しみはプロダクト開発部の中でも大事に醸成していきたいと思っています。
ーー最後に、nickさんの今後の意気込みをお願いします。
nick: まずは組織の中でプロダクト方針を浸透させていきつつ、コミュニティを通じてビジネスや組織を良くしていきたいと考えているお客様に対して、しっかりと価値を届けていきたいと思っています。CTOという立場にはなったので、オシロにご出資いただいている投資家やVCの皆様のご期待に応えていくためにも、技術面でコミットしていきます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
DSC03693.jpeg 7.43 MBオシロ株式会社は現在、ファン同士の交流を活性化させる業界唯一のコミュニティ専用オウンドプラットフォーム「OSIRO」を成長させ、より多くのクリエイターやブランドオーナー、企業様にご導入いただくための仲間を募集しています。
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