竹田直弘さん(文春オンライン ゼネラル・プロデューサー)、村瀬秀信さん(ライター)をお呼びしたOSIRO OWNER SPECIAL INTERVIEW第8弾。
OSIRO OWNER SPECIAL INTERVIEW
オシロ株式会社の代表取締役社長である杉山博一によるオーナースペシャルインタビュー。第8回のゲストは、文藝春秋が運営するニュースサイト「文春オンライン」の初代編集長で「文春野球コラム ペナントレース」を企画した竹田直弘さんと、コミッショナーとして竹田さんとともに文春オンライン内の人気コンテンツ「文春野球コラム ペナントレース」を運営する人気野球ライターの村瀬秀信さんです。文春野球コラム ペナントレースは、プロ野球12球団ごとの野球コラムを対決させる異色のコンテンツで、リアクション数によって勝敗を決めていきます。「文春野球学校」は、そこから派生した野球コラムの書き方を学ぶコミュニティです。編集者とライターがコミュニティオーナーになり2019年にスタート、大手メディアが運営するコミュニティのさきがけにもなった同コミュニティの運営を通して感じた報道メディアの「これから」を語りあいました。
文春野球学校
文藝春秋が運営するweb報道メディア「文春オンライン」の人気コンテンツ「文春野球コラム ペナントレース」のスピンオフコミュニティとして2019年8月9日の野球の日に開校した。当時の編集長である竹田直弘さんを運営責任者とし、人気野球ライターで文春野球コラム ペナントレースのコミッショナーでもある村瀬秀信さんが校長となり「野球を『観る』だけでなく、『表現する』プレーヤーになろう」というキャッチコピーを掲げる。生徒の発案を積極的に採用し、授業内容をアップデートしてきたほか、授業だけでなく、野球観戦や飲み会などの「部活動」も積極的に行っている。
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メンバー発案企画「偏愛選手名鑑」がコミュニティの分岐点に
(写真左)文春野球学校 校長 村瀬秀信さん
(写真中央)文春オンライン ゼネラル・プロデューサー 竹田直弘さん
(写真右)オシロ 代表取締役社長 杉山博一杉山博一(以下、杉山):「文春野球学校」は、大手メディアの文春オンラインが運営するコミュニティとして2019年8月9日の「野球(8・9)の日」にスタートしました。以来、メンバーが中心になって編纂されたオリジナルコンテンツで球春の到来とともに毎年公開される「偏愛選手名鑑」など、設立から5年経った今でも熱量が高いコミュニティとして、オシロ社内でもつねに話題にあがっているんですよ。今日は、その秘密に迫れたらと思います。
竹田直弘さん(以下、竹田):ありがとうございます。ペナントレースが始まる季節になるとプロ野球12球団の全選手や監督、コーチなどの情報が網羅された「選手名鑑」が各社から発売されます。球春(野球シーズンの始まり)を告げる風物詩でもあるこの選手名鑑を、文春野球コラム的にマニアックなファン目線で編纂したのが「偏愛選手名鑑」です。通常、文春野球学校内の記事はコミュニティメンバー以外は読むことはできないのですが、偏愛野球名鑑は外部でも読めるように設定しています。2021年3月に初公開して以来、毎年ペナントレースが始まる直前に公開しているんですよ。
村瀬秀信さん(以下、村瀬):12球団ごとに1ブログが公開されて、そのなかで監督と選手を100文字程度で紹介しています。じつは、この偏愛選手名鑑がコミュニティを運営するうえでターニングポイントになったといっても過言ではない企画です。
杉山:ターニングポイントというと?
竹田:文春野球学校は、「文春オンライン」で公開されているコンテンツ「文春野球コラム ペナントレース」の新展開として誕生したもので、村瀬さんのほか文春野球の書き手たちが講師になり、野球コラムをうまく書けるようになりたいという野球ファン向けの文章講座的に始まりました。
ですので、当初のコミュニティの活動は、月に数回の文章講座や模擬取材を兼ねたインタビュー講座といった企画が多かったです。しかし1年経ちどうもマンネリになってきたのか、生徒さんのなかから「もうちょっとこういうのやってほしいんですよね」といわれるようになったんです。こちらが凹むぐらいに強めに(笑)。それなら僕たちが教えるのではなくコミュニティメンバーである生徒さんのやりたいことを聞いてみようと、生徒さんがプレゼンターの企画「プレゼン大会」をやることになったんです。
村瀬:プレゼン大会からいくつか実現した企画があって、そのひとつが偏愛選手名鑑なんです。しかも、運営側で企画の枠組みだけを決めたら、あとは生徒さんたちだけで走り出してくれて。なんて素晴らしいんだ!と思いましたね。
竹田:僕らがすべてお膳立てするよりも、生徒さん主導で企画を生みだした方がうまくいきやすい、満足度も上がるというイメージがここでついた感じですよね。そういう意味でのターニングポイントです。
偏愛選手名鑑では、1球団を3、4人ほどの生徒さんで担当して、そのなかの1人が監督になって名鑑をまとめあげます。さらに12球団を総括するプロデューサーもいて、表記統一など全体に関わることを取り決めてくれています。
村瀬:始めは試行錯誤を重ねましたもんね。たとえば、講師として外部のライターさんにきていただき文章を見てもらう企画なんかは、すごく厳しく見てくださる方もいるんです。僕らが若いころの文章講座はそれが普通でしたが、今の生徒さんからするとちょっと違う。そういうのを求めてなかったというのは発見でしたね。
杉山:旧来のオンラインサロン的な関係は、コミュニティオーナー(1)とメンバー(n)がそれぞれ交流する「1対n」という一方通行の関係性がほとんどでした。これは、コミュニティオーナーの価値観が強く、同調圧力のようなものも存在しているように思います。一方で、OSIROが目指すのは「1対n対n」で、オーナーとメンバーのコミュニケーションが双方向で行われることに加え、メンバー同士(n対n)のコミュニケーションも活発に行われている状態です。そこには同調圧力はありません。それが自然発生的に文春野球学校で醸成されたわけですね。
竹田:僕たちは、講師側として教える立場を意識していたんですが、おそらく生徒の皆さんの意識はもう当初から違っていたんでしょうね。杉山さんがいう「1対n対n」に対する理解が進んでいて、僕たちはただそれについていったらなんだか理解できるようになったというのが実際のところです(笑)。
村瀬:偏愛選手名鑑で各球団の執筆をまとめる監督役のメンバーがほぼ毎年変わっているのも、「マンネリ化しないように」という生徒さんたちの意向でしたからね。生徒さんたちのやりたいことをフォローしていくのとともに、僕たちは月に1度の講座をしっかりとやるという現在の形ができたのは、コミュニティを継続していくうえでよかったですよね。
出版界が正解をもっている時代ではなくなった
杉山:ありがたいことに、クリエイターや著名人の方には自身の価値観を共有する場としてOSIROのコミュニティを活用していただいているほか、ブランド価値の向上やファンづくりを目的に企業様にOSIROを使っていただいています。出版社にとってコミュニティをもつ意義をどのように考えていらっしゃいますか?
竹田:文藝春秋総局の局長として言葉を選ばずにいうと、稼げる部分を伸ばしていくことが仕事だと考えています。その立場でいうと、利益がさほど出ていないコミュニティ運営をやり続ける必要があるのかという課題は僕自身のなかにもあります。ただコミュニティには、これからの出版社が生き残っていくヒントがあると思っています。可能性を秘めたメディアを僕自身が体験しているということは大きいですね。
とくに出版社は、本を読者に売るという点でB to Cのサービスに見えますが、実際は取次を経由して全国の書店やコンビニ、ECサイトに本が届き、そこでようやく読者の目に触れます。そのため現実的にはB to Bのサービス、つまりユーザーとの距離が遠いビジネスといえます。
そのなかで出版社はオンラインメディアを運営しはじめてようやく読者と直接的な関係を結べるようになりました。たとえば弊社でいえば2021年3月にスタートした「週刊文春 電子版」、2022年12月にスタートした「文藝春秋 電子版」などのサブスクリプションサービスがそれで、書店を通さずサービスを提供するようになったことで、直接ユーザーのお客様からのご意見をいただくようになりました。
杉山:今でこそ、出版社の編集者が一般に向けてSNSで発信ができるようになりましたが、それもここ数年の話ですものね。
竹田:昔は紙の雑誌・本が流行を発信していましたが、今では「note」や「X」、「YouTube」や「TikTok」などからおもしろいコンテンツが生みだされる時代になりました。それは、出版社やメディアが正解をもっている世界でなくなったことを意味しています。
村瀬:コミュニティの前身の文春野球コラムでも実感したことですよね。コラムの最後には、SNSの「いいね」ボタンのように読者が気に入った記事にリアクションできる「HIT」ボタンがあります。このHITの数で、各球団のコラムを対決させて実際のペナントレースのように年間の優勝球団を決めるのが「文春野球コラム ペナントレース」のルールです。
ときには、プロのライターとほとんど文章を書いたことないようなアマチュアが対決することもあるんです。僕たちプロ目線でみたら「この原稿さすがだね」というようなライターのコラムが、アマチュアのコラムに、あっけなく負けたりするんです。「これは世界がまったく違う」と感じました。
竹田:村瀬さんも、ある地方の野球ファンで本業は書店員という方とガチンコで対戦して負けちゃったもんね。この話をすると今でも悲しそうな顔をする村瀬さん(笑)。
村瀬:はい、まだ傷は癒えてません(笑)。文春野球コラムペナントレースには実際のプロ野球と同じく、その年の日本一球団を決める日本シリーズがあるんです。僕はコミッショナーなので本来は書き手として出場しないところを、覆面ライター「ベイスターズおじさん」として参戦したんです。まわりからは村瀬だとバレバレでしたけどね(笑)。
雌雄を決する場面でしたから絶対に勝たないといけない。僕のもっている渾身の鉄板ネタで挑んだんです。しかし、あっけなく負けました。最後の方は、覆面の設定をかなぐり捨てて本名でやっているXでもHITボタンを押してくださいとお願いしたんですけどね。
杉山:敗因は何だったんでしょうか?
村瀬:こればかりは、わかんないですよね。タイミングもあると思います。そのタイミングのなかで、相手がいいピッチングをしたということじゃないですか(笑)。
竹田:等身大のネタというか、プロじゃない目線で、記者席ではなく観客席から野球を見て感じたことが書かれていると共感する人が多いし、リアクションが増えるように感じますね。
「『セクシーな選手』はOK?」ルッキズムの観点でいち早く議論
杉山:前身の文春野球コラムからスタートしたコミュニティですが、そもそも竹田さんと村瀬さんがご一緒するようになったのは、どんな経緯からなんですか?
竹田:以前スポーツ誌「Number」の編集部にいたときに、村瀬さんに「野次馬ライトスタンド」というWeb版連載を書いてもらっていたんです。当時の野球コラムといえば、ライターがどこのファンと表明するのはタブーで、客観的に記事をまとめあげていくスタイルがほとんどでしたが、村瀬さんは横浜DeNAベイスターズを偏愛し「ベイスターズがめちゃめちゃ大好きです!」という熱量が伝わってくる文章を書いていたんです。
村瀬:タブーを破ってまでね(笑)。
竹田:そうそう。でもそれが、けっこう数字が良かったんです。こういう「偏愛」に数字をとる何かがあるんだろうなという感覚は、この頃からありました。
村瀬:僕自身もこの時、手ごたえを感じていました。
竹田:それから2017年に「文春オンライン」を始めるわけですが、いわゆる報道メディアなのでシビアな話題が多くなります。そのなかで一服の清涼剤になるような企画がほしいと考えていたときに、村瀬さんに「何かおもしろいことをやらない?」と相談したのがきっかけです。
杉山:さきほどは出版社側からのメリットを竹田さんに話していただきましたが、ライターである村瀬さんは、コミュニティに関わる意味をどのように感じていらっしゃいますか?
村瀬:自分が書いた文章に対するコメントから新しい感覚を覚えることが多くなったということですかね。というのも僕はベイスターズだけでなく、前身のホエールズの古い話も採り上げるので、そのあたりが好きという人がメインの読者です。その人たちは何を書いても大抵のものは喜んでもらえるからある意味で教祖みたいになってしまう。
だけど、文春野球学校は、僕のファンじゃない人もメンバーなので、いつもと違う感想をもらうことが多いんです。
竹田:そうかもしれませんね。文春野球学校って校長の村瀬さんのファンコミュニティってわけでもないんです。野球コラムを書きたいという人が集まってくるから、村瀬さんを教祖のようにあがめるのではなくて、フラットな関係を築けているかもしれません。
村瀬:そうそう。生徒さんからは「僕は、村瀬さんみたいなスタイルではないんで」ということもいわれますよ(笑)。だからといって自分のスタイルを変えるというわけではないのですが、いろいろな人の意見があるんだということを学んだという感じです。
竹田:いろいろな人の意見という点では「セクシー問題」もありましたね。
杉山:セクシー問題というのはなんですか?
村瀬:ある生徒さんが書いたブログの中で、選手の体の一部について「セクシー」という表現が使われていたんです。それに対して他の生徒さんが、今の時代、「セクシー」という表現はルッキズムの観点からあまり使わないほうがよいのでは、とコメントしたんです。そこから「何がセーフで何がアウトか」という議論に発展したんです。
竹田:最終的には月一の講座のテーマにもなったんですよね。「セクシー問題を考える」というお題で、文春野球コラムも書いている女性ライターをお呼びして。「朝まで生テレビ!」以上に盛りあがりました。討論の結果、野球選手は肉体を使うアスリートなわけだから「筋肉がすごい」などの身体への言及はOK、またスターとして見られる職業でもあるのだから「髪型が変わった」など事実を伝えるのはあり。
でも、選手の身体を性的な視点で書いたり、顔の美醜を表現したりするのはよくないよねという話で落ち着きました。もちろん、それが正解というつもりはないですけど、目を逸らしてしまいがちなテーマを真正面から受け止めて、本音で意見を出し合えたのは本当によい経験になりました。何かを表現したい人にとっては避けて通れない問題ですからね。
村瀬:僕自身は、初めてそういう視点をもったんで、逆に教えてもらったという感じです。野球コラムで「イケメン選手」とか当たり前のように使っていましたから。たしか3年くらい前だと思うんですが、こういった問題を野球メディアとしていち早く取りあげたという感じはありますね。
杉山:ライター歴の長い村瀬さんがプロではない生徒さんから「学ぶ」という姿勢でいられるのも素晴らしいことだと思いますよ。多くの人が歳をとるにつれて変われなくなるなかで、柔軟に対応しているからこそ5年経ってもコミュニティの熱量が変わらない要因なのではないでしょうか。
出版社が「表現したい人たちが集まる場所」になる
杉山:コミュニティオーナーとして試行錯誤をしながら運営をし、一方でコミュニティのメンバーから気づかされることも多いという、竹田さん、村瀬さんとメンバーの相互にとってよい環境であることが文春野球学校のコミュニティの力のようですね。
竹田:コミュニティから得るものは本当に多いです。たとえば、ライターコンテストをやっても応募者が減っていく一方で、文春野球学校の生徒さんのようにライターを職業としたいわけではなくてもブログやSNSを使って書きたい人、表現したい人はたくさんいるわけです。
雑誌が流行をつくっていた時代はもう終わっていて、SNSなどの新しいメディアからムーブメントが生まれている。雑誌や本が売れなくなってきているなかで出版社は、何をウリにしていくのかと考えることがあります。
こんな時代に出版社は何を提示できるのか……おもしろい文章を書きたい、いい写真を撮りたい、つまり人間が何かを表現したいという欲求はずっと変わらないと思っています。近い将来、そういった表現したい人たちが集まる場所に出版社がなるのかもしれないと思いはじめたときにOSIROに出会ったんです。
杉山:表現したい人を支えるという点では、僕がオシロを創業した思いと同じです。「日本を芸術文化大国にする」という部分を感じとっていただけたのはうれしいです。
竹田:生徒さんは書きたいと思ってる仲間でもあるし、そういう意味では採算的なものは度外視しても大事にしたい場所だと思っています。
村瀬:閉じられた空間で安心して書けるっていうのもいいですよね。今の時代、そんな場所はないですから。書き手にとってはとてもやさしい世界ですよね。だから生徒さんは実験的な原稿も書けるし、普段しない書き方を試してみたり、自分のプライベートなことなども赤裸々に書くことができる。
それに対して変なこと言う人はひとりもいないので、書き手にとって嫌な思いはしにくい世界だと思います。ルッキズムの指摘についてもSNSだと炎上するようなことですが、お互いが敬意をもって「こういう考え方もありますよね」という伝え方をするので、建設的な話し合いが生まれる。
杉山:最後に今後コミュニティの活動として考えていることはありますか?
竹田:今年は、「全国球場ガイド(仮)」をリアルの冊子にして販売したいと考えています。生徒さんの多くは、好きな球団のためならどこへでも行くんですよ。それこそ地方の球場や二軍の球場とか。球場や周辺はもちろん、名物料理の写真なんかもあるので、今までにない球場ガイドができるのではないかと思っています。もちろん文章も偏愛選手名鑑のノリで、その球場への思いも書いてもらおうと思っています。
また、4年目を迎える「偏愛選手名鑑」も、かなりパワーアップして過去最高のものになりそうです。
村瀬:僕と竹田さんほか5人ほどで運営しているコミュニティなので、急激にメンバーを増やしていこうとするのは難しいですからね。一方で、メディアが運営するコミュニティの実験はある意味で成功していると思います。この後は、もっとスケールを大きくしていけたらいいですね。規模が大きくなったからこそできることも考えていきたいです。
杉山:メンバーが増えることでコミュニティの選択肢が増えていくと思います。しかしその分運営側の負担が増えるので、現実的に増やせないという問題もあります。そこでOSIROでは、メンバーから管理者に問題がありそうなコメントを直接通報することができたりと、これまでオーナーが苦心してきたコミュニティの管理を代用できるサービスを実装しはじめてもいるんです。
コミュニティの中で交通ルールをつくるのがオーナーであるとすれば、信号のようにそのルールを促す仕組みをOSIROはつくる。それが整えば事故の数はグンと減るし、双方が安心して利用できるようになります。
村瀬:生徒さんが増えていけば、できることも増えていきますからね。
杉山:SNSのフォロワー数を競う時代は終わって量から質の時代になっていることを感じています。OSIROのオーナーでも、SNSのフォロワー数が多いからといってコミュニティのメンバー数も多いわけではありません。それよりも、ファンと普段から相互的なやり取りをしているとか、コアファンとの関係づくりを大事にしているオーナーさんはうまくコミュニティを運営されています。
文春野球学校は、メンバー同士の交流や繋がりがうまくできあがっていて、ミニ竹田さん、ミニ村瀬さんのような存在のメンバーがすでにいると思うので、あとはOSIROのシステムで自動的に事故をチェックできるような仕組みも続々と導入しているので、これまで事故を防ぐために使っていた時間を削減することができ、もっとメンバーと繋がる時間に変えていただけると思います。
竹田:生徒さんと「メンバーが増えたらもっと楽しくなりそう」という考えが共有できれば、次の一歩が踏み出せそうです。杉山さんに、これからもいろいろと教えてもらいたいですね。
杉山:もちろんです。お二人とも今日はお忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました!
竹田直弘|Naohiro Takeda
1973年生まれ。早稲田大学に6年通い、アジアを1年放浪した後、1999年に文藝春秋に入社し、『週刊文春』『Sports Graphic Number』『CREA』などの雑誌編集を経験し、2016年に「文春オンライン」初代編集長に就任。同サイトは2021年8月に月間6億ページビューを達成し、日本の出版社系ニュースサイトとしては最大の数字になった。2019年8月9日(野球の日)にオンラインコミュニティ「文春野球学校」を運営責任者として立ち上げた。現在は文藝春秋総局局長兼文春オンライン ゼネラル・プロデューサーの立場で同校を支えている。
村瀬秀信|Hidenobu Murase
1975年生まれ。神奈川県茅ケ崎市出身。ライター、コラムニスト、ノンフィクション作家、エ本作家ほか。県立茅ヶ崎西浜高校を卒業後、全国各地を放浪。2000年よりライターとしてスポーツ、カルチャー、チェーン店グルメなどをテーマに雑誌、ウェブで幅広く執筆。2017年から文春オンライン上で「文春野球コラム ペナントレース」を主宰するほか、プロ野球関連イベントの司会・パネリストとしても出演多数。2019年8月9日(野球の日)にオンラインコミュニティ「文春野球学校」の校長に就任した。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』(集英社刊、2024年)がある。
杉山博一|Hirokazu Sugiyama
1973年生まれ。元アーティスト&デザイナー、2006年日本初の金融サービスを共同起業。2014年シェアリングエコノミープラットフォームサービス「I HAV.」をリリース、外資系IT企業日本法人代表を経て、2015年アーティスト支援のためのオウンドプラットフォームシステム「OSIRO」を着想し開発、同年12月β版リリース。
text & photos by Ichiro Erokumae