熱量研究ブログ
オンラインコミュニティの実態と効果的な運営術に迫る『コミュニティ熱量研究所』。所長こと、オシロデータサイエンティスト鈴木を筆頭に、コミュニティ運営に精通した研究員が、実際の経験を元にさまざまな運営ヒントをお届けします。
春ですねぇ。
ふと、春風に揺られながら町中のコンビニに入るとコブクロやケツメイシが流れてきたりして、忘れかけていた青春時代がヒュルリーラと僕の脳内にカムバック。
あの頃の仲間たちはどうしているかなぁ、なんておセンチな午後を過ごしています。
すると、待っていたかのようにクラスメートから同窓会関係の連絡が!やれやれ彼もきっとあのコンビニで聴いたに違いない…
こんにちは、コミュニティ熱量研究所のすないぱーです。
暖かくなってきて、出会いと別れの匂いがふんわり薫る今日この頃です。
僕は最近、同窓会の企画に絡んでいるのですが、ワクワクはもちろん、ちょっとしたドラマがあって、これはコミュニティ的だなと感じたので皆さんにご紹介。
今日のテーマは『言い出しっぺの心はどこへいくのか』です。
僕はわりと沢山の仲間に恵まれて生きてきたので、忘年会や飲み会に声をかけてもらうことが多いんです。
とてもうれしくて、声がけや集金などを手伝うのですが、やっぱりイベントは”作る側の楽しさ”を味わってしまうと2度おいしいですよね!
そんなノリで同窓会の企画をスタートしたのですが、進むに連れて仲間の顔が次第に暗くなっていきます。
おい、いつも大吾郎(言わずもがなあの4Lの焼酎)を抱いてヘラヘラ絡んでくるお前はどこへいったんや??
そこで話を聞くと「はじめはよかったが、思ったよりやることが多いし、決めることも多いし、準備に疲れてきた。俺はみんなでワイワイできたらそれでよかったんだ」
なになに?その甘酸っぱい感情。いや、甘くはないか。
それぞれの得意分野がある
大吾郎は言い出しっぺのいわゆる『0⇒1』が得意なタイプ。
彼が忘年会をやろうぜと側近のメンバーに一斉メールを飛ばすと、そこから情報が拡散されていく仕組みがある。
僕は彼に引っ張られていつもお店の予約や集金係になるので『1⇒10』タイプなのかもしれない。
この流れは学生時代にいくつもの修羅場を経て完成されている、いわばゴールデンシステムであり、ここ10年以上その体制が揺らいだことはなかったんですよね。
同窓会に話を戻すと、せっかくなので「いつもよりたくさん人を呼んで大きくやろうぜ」という声もあって、こりゃいいぞとなったのです。
それで実際に声をかけてみたら、久しぶりに登場したお祭り野郎達が参加表明してくれて、やりたいことの意見出しが活発化する。
おおこれは盛り上がってきたなと大吾郎も、ヘラヘラ。
そして、最後はまさかの学級委員だった彼までもが登場して、場は更に盛り上がりを見せる。
(以前は仲が悪かった彼らがねぇ…時間が解決するって本当にあるんやなぁ…)
なんて、この時まではのんきなことを思っていたんです。
さて、学級委員くんが動き出すと、
感染症対策はどうする?飲食はやめて交流会にしない?記念グッズをつくらない?スケジュールは?各担当は?とイベントの細かい部分の確認を始めてくれる。
こりゃしっかりした企画になりそうだと大吾郎のヘラヘラはさらに激しくなっていく。
学級委員くんは『7⇒10』タイプで抜け漏れ観点の整理が得意。
細かいことが苦手な僕たちゴールデンシステムズは「すげーすげー」と語彙を失うくらい沸いたんです。
そんな最中に起こったのが、最近の大吾郎現象。
彼は、ワイワイ企画を進めている期間が好きで(まぁ当日はすぐに酔いつぶれるので納得なのですが)
あれこれタスクを切られてマネジメントされると「楽しむ隙がなくなった」と感じてしまったのです。
そうか、企画はつくっていくプロセスも大事。人と人とのつながりはプロセスの中で生まれることもありますよね。
文化祭の準備で折り紙のチェーンをつくっているうちに仲良くなって、気づいたら見えないチェーンで繋がっちゃうカップルとか。
企画側はプロセスも楽しめるように設計する視点があると良さそうです。
完成が目的なら、お金をかければ早く完成するけど、楽しむことを目的にするなら、ゆっくりと進めたほうがいいかもしれない。
…恋のチェーンもつながるまでに時間が必要なハズ。ハズ…
まずは企画側が楽しもう。
そこで僕は「同窓会は学級委員くんに任せて、ちょっと別で呑もうや」と大吾郎に声をかけたのでした。するとみるみるうちに生気を取り戻した大吾郎。
途端、舵を切るゴールデンシステムズ。そこにはいつもの輝かしい仲間たちの姿が。
これでよかったのだ。
僕らにとっての快適なコミュニティの境界は我らゴールデンシステムズだったのかもしれない。
同窓会はきっと成功すると思う、でも大吾郎の求めていたのはそれ以外にもあったのね。
言い出しっぺの心を理解するのって大事だなと思いました。そのうち学級委員くんは昔のように怒り出すだろうけど。
すまん、キレイな桜に免じて許してくれぇい。
少しずつ春らしい陽気になってきました。みなさんもステキな春のイベントに駆け出しましょう!もう、皆で名もない花とか見つけて、名前を付けにいきましょう!
それではまた。
OSIRO資料のダウンロード すないぱー/川島崇組織・人づくりファシリテーター
コミュニティ熱量研究所 研究員
転勤族の両親の間に生まれ、自分で居場所をつくりにいかなければならない環境で育つ。現在は東京と滋賀の2拠点生活をしながら、地域コミュニティやオンラインコミュニティを運営。世界70ヶ国を旅する旅人の顔も持ち、カメラを持つとスナイパーと呼ばれる。『人は人で磨かれる』を信じて様々な世界に出かけていく日々。
Twitter @sp_kawashi
Text: 諏訪下 優知 / コミュニティライター