オンラインコミュニティのお悩みに役立つ情報をご提供する「OSIRO COMMUNITY TIPS」。今回は、オンラインコミュニティにおける「熱量」とコミュニティの価値の関係性やその考え方、そしてオシロが取り組む熱量の可視化について、「コミュニティ熱量研究所」の鈴木駿介所長が解説します。
オンラインコミュニティの実態を、データサイエンティスト視点から様々な切り口で大解説していく「コミュニティ熱量研究所」。所長の鈴木です。
今回のテーマは、『熱量』ってどういう意味?
本記事のタイトルであり、私の研究所の名前にもなっている『熱量』。
「あの人は熱量が高い」「熱量の高いコミュニティを作りたい」など、よく耳にするワードですよね。
では、具体的に “熱量とはなにか?”と問われると、なかなか曖昧で説明しづらいと思います。
『熱量』はコミュニティ活動においてもとても大切な要素なので、今回は『熱量』の定義や判断基準について科学していきましょう。
コミュニティの価値と熱量の関係
“コミュニティってどんな意味があるの?”
“コミュニティを数値で伝えられない”
コミュニティの価値を実感している人、コミュニティの可能性を感じている人はたくさんいると思います。しかしながら、「
コミュニティの価値を伝える難しさ」は、運営者の方も、これから検討中の方も共通して、みなさん一度は抱く悩みではないでしょうか。
実際に「社内でコミュニティの価値を評価してもらえない」「コミュニティの良さを十分に伝えきれない」という声をよく聞きます。
その理由として、
コミュニティの“数値化が難しい”ことが大きな要因だと思います。
例えば、テレビ番組では視聴率、YouTubeでは再生回数やチャンネル登録者数など見るべき項目が明確だと評価しやすくなります。「この施策を行ったら、〇〇%再生回数が増えた」「〇〇というジャンルでランキング1位!」と数字として結果が可視化されることで、次の一手が打ちやすくなりますよね。
しかし、コミュニティの場合、目的や活動内容がさまざまなため、どの項目を数値化したらよいのかは悩みどころです。そもそもデータが少ないケースもあり、数値化できているのは「会員数」や「売上」のみということも多いのではないでしょうか。
「会員数」はわかりやすく着目すべき指標ですが、コミュニティの中で行われている「チャット数」や「各イベントの参加人数」などといった
メンバーのアクション量こそ運営側が一番知りたい内容だと思います。
コミュニティ内のアクション量を測るには、複数の視点から捉えて分析する必要があります。これを解決するヒントが、
コミュニティの状態をわかりやすく表してくれる『熱量』にあるんです!
オシロが考える『熱量』とは
一般的に、メンバーやファンの熱狂を表現する時に「熱量」というワードを使うことが多いのはみなさんご存知だと思います。しかし、好きなアーティストへの想いの深さを表すこともあれば、スポーツ会場での声援の大きさを表したりと、人によってその解釈はさまざま。定まった定義がないのが現実だと感じます。
オシロでは、
コミュニティの「熱量」とは「コミュニティメンバーのアクション量」を数値化した指標として定義しています。
コミュニティの活動には、メンバー同士のチャット、オーナー記事へのコメント、イベントの企画や参加、ブログ投稿、商品の制作や販売などさまざまなアクションが存在します。
オシロでは、
そのすべてのアクションの動向を数値化し「熱量」として測定、可視化しています。
「前月に比べてブログ投稿数は減っているけど、チャットは増えている。結局良い方向にいっているのかわからない」という悩みも、
全体を網羅している「熱量」という指数をみることで解決できます!つまり、アクション量を数値化した「熱量」をみることで、コミュニティの状態をひと目で把握することができるのです。
『熱量』を正しく理解するメリット
熱量を測ることで、コミュニティの状態を定量化し、説明できるというポイントがありますが、その他にも実は嬉しいメリットがたくさんあります。
ここではそのうちの3つを紹介します。
(1)振り返りができる
月や日ごとの熱量を見ることで、メンバーのアクションが増えたタイミングや内容を知ることができます。すると、その月にどんなイベントを行ったのか、どんなテーマでどのように盛り上がったかなどの分析が可能になり、今後の施策に活かすことができます。
(2)定性と定量の両方で理解できる
コミュニティ運営をしていると、「最近、メンバーの元気がないな」などと定性的な肌感覚でコミュニティの状態がわかることもありますよね。しかし、感覚だけではそれが合っているのか不安になることも多いと思います。そういったときに、定量的な数字があることで、根拠を持ってコミュニティの状態を分析したり、相談することができます。また、感覚と数値、両方でコミュニティをみることで、より正確にコミュニティの『熱量』を把握することができるのです。
(3)他のコミュニティと比較ができる
“他のコミュニティと比べてどうなのか?”はとても気になりますが、クローズドなオンラインコミュニティではなかなか比較が取れないのが現実です。しかし、
共通の指標があることでその悩みも解決できます。同じジャンルや活動内容のコミュニティ同士で熱量が共有できると、「私たちが運営しているコミュニティより熱量が高いね!何をしたの?」などと意見交換することもできます。
コミュニティ運営者同士で相談できるのは、時に孤独なコミュニティ運営において、とても心強いメリットだと思います。
まとめ
このように、私たちが普段の生活でなにげなく口にする『熱量』という言葉は、コミュニティの価値を伝えたり、他のコミュニティとの比較や意見交換をしやすくしたり、大きく、深い可能性を秘めているのです。
今回ここまで読み進めてくださった方は、「どうやって熱量を上げたらよいの?」「熱量は高ければ高いほどよいの?」など、様々な疑問が湧いてくると思います。
近々その辺りも含め、『熱量』をさらに深く掘り下げていきたいと思います!
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“コミュニティごとに異なる活動内容と目的を明確にし、得られるデータを規模・活発度・特徴の3つを軸に分析していくことがポイント” ということをお伝えしています。
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