俳優・画家の鈴木杏さん(以下、杏さん)が、OSIROを通じて主宰するコミュニティ「シェアアトリエぷくぷく」。活動開始から1年が経ち、メンバーの一人ひとりが自身の内側にある表現の種を「ぷくぷく」と膨らませ、「みんなの才能が発酵し発光していく場所」というコンセプトを体現する場となっています。
「うまく描かなければいけない」「誰かと比べられてしまう」。そんな現代特有のプレッシャーから解き放たれ、純粋に創作や表現を楽しむための場に。杏さんがこの場所に込めた「健やかな自己表現」という願いは今、メンバーのクリエイティビティにどのような変化をもたらしているのでしょうか。
今回は、主宰の杏さんとシェアアトリエぷくぷくの創作・交流プランである「ぷくぷくさん」のメンバー3名による座談会を開催。入会のきっかけから、コミュニティでの活動1周年を記念し制作したZINEの舞台裏、そしてこの場所が目指す「持続可能な表現の未来」まで。表現でつながる温かな関係性が紡ぐ、優しい対話の模様をお届けします。
DSC06363.jpeg 7.64 MB画像中央右:鈴木杏さん、ぷくぷくさんメンバー(画像左から):りすぽんさん、KAZUさん、リリーさん
シェアアトリエぷくぷく
俳優・鈴木杏さんの発信を通じて、表現活動を行う仲間同士が集い、創作物を共有、応援しあうことで才能を発掘していくオンラインコミュニティ。
「みんなの才能が発酵し発光していく場所」をコンセプトに、誰もが安心して自由に作品や創作物を発表し、自己表現できるような場を醸成している。コミュニティ内では鈴木さんがInstagramで発表していた1日1枚の絵の投稿を移行した「いちにちいちまい(毎日投稿)」のほか、毎月1回オンライン上でメンバーさんとテーマを決めて共有会を行う「みんなで発酵わいわいタイム」、それぞれの創作やお題投稿で発表された鈴木さんやぷくぷくさん(コミュニティメンバー)の作品を週1で公開する「みんなの作品」など、鈴木さんとともに創作を楽しめる環境となっている。
また、シェアアトリエぷくぷく限定ストアでは、鈴木さんのオリジナルTシャツや原画が販売され、鈴木杏さんの作品といち早く出会える。
シェアアトリエぷくぷく 新メンバー募集中!
シェアアトリエぷくぷくは毎月2日から9日までの間、「ぷくぷくさん(創作・交流プラン)」の新メンバーを募集しています。鈴木杏さんの日常や創作を楽しみつつ、自分自身も創作にチャレンジしてみたい方、創作やものづくり仲間をつくり、表現することを楽しみたい方は、ぜひコミュニティの情報をチェックしてみてください。
※「ほっこりさん(閲覧・応援プラン)」は随時募集しています
シェアアトリエぷくぷくの詳細・入会申し込みはこちら▼
https://pukupuku-anne.com/about
シェアアトリエぷくぷく公式Instagramはこちら▼
pukupuku.anne.official
誰かと比べるのではなく「健やかな自己表現」へのシフトチェンジを
DSC06227.jpeg 3.78 MBーーはじめに、みなさんがシェアアトリエぷくぷくに入会したきっかけを教えてください。
KAZUさん: ちょうど1年前くらいでしょうか。自分なりにアート作品には触れてきたつもりでしたが、
「自分の知らない誰か」に作品を見てもらいたい、また自分も「未知の人の作品」を見てみたいという気持ちがありました。そしてなにより、そうした方々とコミュニケーションが取れる場はないだろうかと、漠然と考えていたんです。
そんな時、スマホで「シェアアトリエぷくぷく」を見つけました。最初は主宰が杏さんであるのを拝見して、「少し敷居が高いのかも?」と迷いもありました。でも、自分でも制作を続けていたので、閲覧メインのプラン「ほっこりさん」よりも、制作もできるプラン「ぷくぷくさん」で活動してみたいと思いました。
結局参加申し込みをしたのは募集締め切りの1週間前くらいのタイミングでしたが、事務局に事前質問をしたりもして、最後は「
きっかけが大事だ!」と意を決して申し込みました。2023年に開催された杏さんの個展に行き作品に感銘を受けていたので、これもなにかのご縁だと思ったんです。入会まではいろいろと考えましたが、入会して1年経った今、入って本当によかったなと感じています。
DSC06222.jpeg 4.36 MBKAZUさんリリーさん: 私はドラマ『ホットスポット』(日本テレビ)を観たのをきっかけに
杏さんのInstagramを拝見するようになり、そこから杏さんが個展を開催しているのを知り足を運んだのがきっかけです。その際、杏さんから直接シェアアトリエぷくぷくの名刺をいただきました。当時は特に創作活動をしていたわけではなかったので、
最初は「のぞいてみたい」という気持ちで、「ほっこりさん」に入会しました。
でも、みなさんのブログやコミュニティ内限定のラジオ『
ぴぷぱぽRaido』を聴いているうちに、「私も見ているだけじゃなくて、もっとみんなとかかわりたい」という感覚が芽生えてきたんです。その後、オンライン交流会に参加させていただいたのを機に、入会から2ヶ月後のタイミングで「ぷくぷくさん」へ変更しました。
ぴぷぱぽRadio.png 277.93 KBコミュニティ内限定配信のラジオ『ぴぷぱぽRadio』について(提供:シェアアトリエぷくぷく)杏さん: リリーさんがぷくぷくさんになってくれたのは本当に嬉しかったです! 実は、私や運営スタッフのみんなも「ほっこりさんの方が、みんなの作品を見て『自分も表現してみたい』と思ってぷくぷくさんになってくれたらいいよね」と話していたんです。リリーさんがまさに理想通りの流れだったので、ぷくぷくさんになってくれた時は、みんなで「やったー!」って喜んでいましたよ(笑)。
ーー見守る側から自分でも創作にチャレンジする側へ。とても素敵なエピソードですね! りすぽんさんは最初からぷくぷくさんで入会されたと事前に伺いましたが、どのようなきっかけで入会されたのでしょうか?
りすぽんさん: 私はもともと映像制作をやっていたり、ライフワークとして10年ほど続けている「
川の字ラジオ」というPodcastをやっていたりと、表現活動自体はしていたんです。子どもの頃は「りすぽん」という、今の名前の由来になったリスのイラストをよく描いていたりもしていました。ただ、大人になってからは、絵を描いて外に出すことに対して、ものすごく抵抗感があったんです。「自分にはそんなに自信がないし……」と。
でも、杏さんの「いちにちいちまい」を見たときに、「あ、これは自分自身のために描いているんだ」という感覚が伝わってきたんです。だから、その気持ちが私たちにもスッと伝わってくるし、心が震えるものがあるんだなと。
私もその瞬間瞬間のことを絵で記録したり、少しだけ外に出してみたりすることならできるかもしれない、むしろやりたかったのかもしれない……という感覚が芽生えました。「
ここに入れば、まだ言語化できていない自分の『描きたい』という気持ちを増幅させられるんじゃないか」という予感があって、思い切って入会しました。
杏さん: 1年ぶりに改めて聞いても、みんながシェアアトリエぷくぷくに入ってくれた動機を聞けるのは、とても嬉しいですね。
りすぽん: 前回はオンラインでしたが、リアルの場で改めて、しかも杏さんの目の前でお話しすると、ちょっと照れてしまいますね(笑)。
杏さん: でも、気持ちはとてもわかるんですよね。今、土門蘭さんの『
本当のことを書く練習』(ダイヤモンド社)を読んでいるんです。そこには「書く自分」と「読む(批評する)自分」が同時に存在するという話が出てきます。
「読む自分」が勝ってしまうと、自分自身へのジャッジが入って書けなくなる。だから書き出す時は、「読む自分」には一旦休んでもらって、「書く自分」だけで進める。これって文章だけでなく絵も同じだなと思うんです。
自分の表現をジャッジせずに「作品を出す」ことだけに集中する。それは創作に向き合う上で、とても大切な入り口だなと最近感じています。
ーーたしかに、なにかを発表する時に「自分なんか......」という気持ちが書けなくなる気持ちはとてもよくわかります。
杏さん: そうですね。SNSの影響もあるのか、いつの間にか「比べる」「ジャッジする」という要素が増えすぎてしまった気がしていて、ルッキズムなど様々な問題もそこから生まれていると思います。でも、そもそもそんなにジャッジって必要なのでしょうか?
シェアアトリエぷくぷくの裏テーマの一つは、「誰かと比べたり自分自身をジャッジしたりすることに向かってしまうエネルギーを健やかな自己表現へとシフトチェンジする」なんです。ネガティブなことを書くのも一つの自己表現かもしれませんが、それを続けていると自身を追い詰めてしまい、自分を愛せなくなると思うんです。
そうではなくて、
「こういう表現の仕方もあるよ」「こっちの方が健やかになれるよ」という別の形を提案したい。そういう人が増えれば、世界はもっと平和になるんじゃないかなと思っています。
シェアアトリエぷくぷくは、純粋に「つくることが楽しい」と感じられる場所
DSC06250.jpeg 3.36 MBリリーさんーーぷくぷくさんのメンバーには、経験者だけでなく、入会してから表現活動を始めた方も多いと伺いました。
杏さん: リリーさんがまさにそうですね! 最初に発表してくれた作品が、いきなり「3枚の絵本」だったのには、本当に感動したのを覚えています。
リリーさん: ある日、会社から帰って急に「描くぞ!」という気持ちになったんです(笑)。もともとは物語を書きたいという思いがあったのですが、その時は無性に「丸」の絵が描きたくなって、水彩色鉛筆で3枚描きました。それをシェアアトリエぷくぷくにアップしようと決めた段階で、後から言葉を添えて絵本のような形にしたんです。
image_20260518173542.jpg 701.86 KBリリーさんの初めての作品『まるの仲間さがし』より(提供:シェアアトリエぷくぷく)
杏さん: すごいですよね。
リリーさん: でも、こういったひらめきがあることも、絵にしようと行動するのも、きっかけや機会がないとなかなかできないものです。
杏さん: 「機会がある」というのは本当に大切ですよね。私自身、個展という目標があるからこそ根詰めて描けるところがあります。発表の場があることは、コツコツとつくり続けていくための大きなモチベーションにつながっていると思います。
ーー制作経験の長いKAZUさんにお聞きしたいのですが、KAZUさんもシェアアトリエぷくぷくに入ったことで他の方から刺激を受けたり、制作への向き合い方や意欲に変化はありましたか?
KAZUさん: すごく刺激を受けています。私は絵がメインですが、
ここには立体作品を制作している方がいたり、杏さんのブログ『ニューたゆたう』や他のメンバーさんのブログを読むことができるなど、たくさんの表現にも触れることができます。
多くの場合、作品づくりには期限もありますし、時にはつくることが億劫になってしまう瞬間もあります。でも
シェアアトリエぷくぷくにいると、純粋に「つくることが楽しい」と感じられる時が多いです。そのポジティブな感覚が、自分自身の制作にも良い影響を与えてくれていると感じます。
杏さん: 嬉しい! 以前、俳句のお題を出した時、KAZUさんはコメントも俳句で返してくれましたよね。
シェアアトリエぷくぷくは、実は言葉のお題でもすごく盛り上がるんですよね。みんなが物語や絵本を書き始めて、いつか「ぷくぷく文庫」なんてシリーズができたら最高だな、なんて思っています。
ーーリリーさんは最初にブログで作品を出してみて、気持ちの変化や気づきはありましたか?
リリーさん: 私の場合、先ほど杏さんが言っていたように、どうしても「ちゃんとしたものじゃないと出せない」という思い込みがあって、構えてしまうとなかなか書けないんです。でも、ある時ふと描いた落書きのようなものを思い切って出してみたら、杏さんや他の方が「めっちゃいい!」と反応してくださって(笑)。
「あ、これでいいんだ」と思えたことで、自分の中のハードルがぐっと下がりました。今は、
じっくり考えるよりも「これを描きたい!」と直感的に思ったものをすぐ形にする方がおもしろいなと感じています。
杏さん: 考えすぎちゃうと、どうしても動けなくなりますもんね。
リリーさん: そうなんです。みなさんの反応も嬉しいですし、同じように自由につくっている方たちの存在がとても励みになります。
杏さん: 不思議なもので、根詰めて描いた大作より、ふわっと軽やかに生まれた作品の方が評判が良かったりすることって、本当によくありますよね。あれはなんなんでしょうね(笑)。
ーーそういった意外な評価も、やはり継続されているからこそ得られるものです。
杏さん: それはとてもあると思います。「いちにちいちまい」をみなさんにも勧めているのは、毎日描くことで「表現すること」が自分に馴染んでくるからなんです。
毎日、本当に丸を一つ描くだけでもいい。それを習慣にしていくと、描くことと自分自身がより深くつながっていく感覚が持てるようになります。これは私自身の体感としてもすごく大きいですね。
リリーさん: 私はもともと、ジャーナリング(書く瞑想)を毎日していたんです。でも、どうしても直感的に書けない時期があって……。杏さんの「いちにちいちまい」を見ていると、
絵は非言語だからこそ本能や直感に近いところで表現できるのがいいなと感じます。私の場合、言葉より先に絵に取り組む方が合っているのかもな、と思ったり。
りすぽんさん: 私は毎日投稿することはなかなか難しいのですが、月に一度の「お題」があることで、「今月も来たぞ!」とスイッチを入れることができています。なにより大きいのは、アプリを通じてみなさんの活動が見えることです。
日記のように毎日あげる人、作品の「かけら」のような未完成のものをあげる人、イラストから文章へ挑戦する人……。そんな
みなさんの多様なレパートリーをリアルタイムで見ることで、「あ、ここには他にもつくっている人たちがいるんだ」と実感できる。それが、自分が表現するための元気になっているんです。SNSを見て書けなくなっていた私にとって、「世の中にはこんなにつくっている人がいるんだ」と感じられるのは、本当に大きな救いでした。
DSC06264.jpeg 4.24 MBりすぽんさんーーお互いの制作過程にある、感情の揺れ動きまでシェアできる場は、非常に貴重だと思いました。
りすぽんさん: それに、みなさんが本当に優しいんです。
たまにしか投稿できなくても、投稿するとみなさんがいつも温かい言葉やスタンプをくれます。いつ戻ってきても、空白の時間なんてなかったかのように迎え入れてくれる「帰ってきた」という感覚があるんです。
杏さん: たしかに、ここは「シェアアトリエ」と言うとちょっとかっこいい響きですが、
コミュニティの雰囲気としてはもっと温かい「寄り合い」に近い場になっているかもしれません。ドアを開けると、みんなが思い思いに手を動かしつつ、たまにおしゃべりしたり、お菓子を交換して……という、ほっとするムードがある。「あ、みんな、いるいる!」みたいな(笑)。でも、そんな温かさがある気がしています。
シェアアトリエぷくぷくという場所の可能性を、もっと多くの人に知ってもらいたい
DSC06334.jpeg 3.59 MBーーそんなシェアアトリエぷくぷくをひとつの形に表現したのが、今回のZINEプロジェクトだと思います。みなさんがどのような作品をつくられたのか、ぜひ紹介していただけますか?
KAZUさん: この1年間、自分の中で「ぷくぷく」という言葉を何度心の中で唱え、口に出しただろう……と思うほど、私にとって大きな存在でした。自分の中の流行語大賞をあげたいくらいです(笑)。なので、今回はその言葉を前面に出した作品にしました。
りすぽんさんもおっしゃっていましたが、毎月のお題が「ゆるい宿題」のようで本当に楽しくて。おかげで作品をずいぶんとつくることができました。その中から、夏につくった「蚊取り線香をモチーフにした絵に川柳をあわせた作品」などをまとめました。ただ羅列するだけではおもしろくないので、身近にあった蚊取り線香をモチーフにするなど、遊び心を込めて「ぷくぷく」をキーワードに構成しました。
image_20260518173837.jpg 685.4 KBKAZUさんがZINEに寄せた作品『アートで満腹』より(提供:シェアアトリエぷくぷく)
リリーさん: 私は「ぷくぷくってどんな場所?」というお題に対して、私の頭の中にあるイメージを「ぷくぷく脳内マップ」として描いてみました。マップの中には、メンバーとの交流の中で生まれたモチーフをたくさん詰め込んでいます。「この人はこれが好き」と教えてくれたものや、杏さんの愛らしいキャラクターたち。『ぴぷぱぽRadio』の収録現場を想像して、三角窓のUFOから発信しているイメージを描いたり、りすぽんさんのキャラクターを登場させたり……。みんなとワイワイ喋ってきた楽しい記憶を一枚の絵にしました。
pukupuku-mapカラー.png 2.91 MBリリーさんがZINEに寄せた作品『ぷくぷくさんの脳内MAP』(提供:シェアアトリエぷくぷく)
りすぽんさん: 私は「りすぽん」というキャラクターの存在意義について考えた、短いエッセイを書きました。ハガキサイズのテキストメインの作品です。
実は私はかなりのスロースタートで、最初の半年ほどは「自分にとってりすぽんという存在は何だろう?」とずっと考えていたんです。それがシェアアトリエぷくぷくでのさまざまなきっかけが頭の中でつながっていき「書きたい!」という気持ちが湧いてきました。結果的に、絵ではなくまずは文章という形になりましたが、思いを凝縮してまとめました。
あとはステッカーもつくりました! メンバーの方で「ステッカーをつくるよ!」と投稿しているのを見て、「シールめっちゃいい! 交換したい!」と刺激を受けたんです(笑)。見よう見まねでしたが、自宅のコピー機で印刷して「りすぽんステッカー」をつくりました。ZINEの制作期間は、みんなが途中経過をアップして悩みながら模索している姿が見えて、本当に密で影響を受け合う豊かな時間でした。
image_20260518174436.jpg 526.26 KBりすぽんさんがZINEに寄せた作品『わたしはりすぽん』より(提供:シェアアトリエぷくぷく)
ーー先日取材もさせていただきましたが、みなさんがつくった作品を一冊のZINEにまとめる作業(パケ詰め)会もとても良い雰囲気でしたね。みなさんは全員参加されていましたが、どんな感想を持ちましたか?
KAZUさん: 「最高なものができた!」という気持ちでした。杏さんがデザインを手がけたパッケージに、みんなの作品をギュッと詰め込んだとき「みんなの思いがここに宿っているんだな」と強く感じたんです。私自身はプロジェクトが始まるまではZINEという言葉も知らなかったのですが、みなさんに教えてもらいながら一緒につくった時間は、本当に大きな刺激になったなと、しみじみと思ってしまいました。
リリーさん: 一人ひとりの作品は、驚くほど多種多彩で、唯一無二のものなんです。それなのに、一冊にまとまると不思議と統一感がある。これは新しい発見でしたね。
杏さん: わかります。みんな個性が豊かなのでバラバラになってしまうのかと思いきや、
根底にある「柔らかくて温かいムード」が共通しているんですよね。だからこそ、一つになったときに素敵な調和が生まれる。それは本当にすごいことだと思います。
DSC06471.jpeg 8.35 MB完成したZINE。パッケージデザインを杏さんが担当し、ぷくぷくさんのZINE作品とともに杏さんのミニ原画が収められている
ーーシェアアトリエぷくぷくの活動は2年目を迎えます。最後に、みなさんが今後やってみたいことや、シェアアトリエぷくぷくがどんな場になってほしいかをお聞きかせください。
KAZUさん: 今回のZINEが第一歩となりましたが、今度はリリーさんが描いたような「マップ」をより広げた冊子をつくるのもおもしろそうですね。それぞれが得意な表現を持ち寄って、一つの大きな力として「共創的な作品」をさらに高めていけたら……。まだ具体的な形はわかりませんが、そんなプロジェクトが始まったらぜひ参加したいです。
リリーさん: 私は、機会があれば他の方とコラボで制作をしてみたいです。イメージしているのは、一人が物語を書いて、もう一人が絵を描くような共同制作。あとは、リアルなワークショップもいいですね。アートセラピーやアクリル絵の具など、一人ではなかなか挑戦できないことに、みんなと一緒に触れる機会があれば嬉しいなと思っています。
りすぽんさん: 私はこの1年で、みんなと一つのものに向かって進む「共創」の楽しさを体感できました。だからこそ、5年、10年とこの「寄り合い」みたいな感覚が続いていってほしいなって思います(笑)。みんなのやりたいことが3年、5年と経つうちにどう変貌していくのかも楽しみなんですが、表現の形が変わっても、お互いの人生の続きをずっと見守っていけるような、そんな場所であり続けてほしいなと思っています。
杏さん: メンバーのお子さんたちの成長も見守っていきたいですよね。なんだかもう、親戚みたいな感覚で(笑)。例えば、子供たちが思春期でつまずいたり、ひねくれたりした時に、周りに「まあ、そんな時もあるよね」と寄り添う大人がたくさんいる。そんな「第三者の目」がある場所としてシェアアトリエぷくぷくを活用してもらえたら、未来がもっと良くなる気がするんですよね。
そのためにも、
この場所が1〜2年で終わるのではなく、無理のない「持続可能な形」で続いていくことが大切だと思っています。この1年、自分たちが理想としていた以上のすばらしいコミュニティが生まれているという確かな手応えを感じました。
だからこそ、2年目からはこの場所の可能性をもっと多くの人に知ってもらいたいと考えています。
今後も間口は広く、でもこの温かさは変わらずに、シェアアトリエぷくぷくという場所を大切に育てていきたいです。
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シェアアトリエぷくぷく ZINE販売情報!
鈴木杏さん
1987年生まれ。東京都出身。
1996年にTVドラマでデビュー後、多くのドラマ、映画、舞台で活躍。
近年の出演作に、NTV「ホットスポット」、NHK「大奥」第2シーズン、舞台「骨と軽蔑」など。
俳優活動を続けながら、2018年にクラウドファンディングで、イラスト&エッセイ集「すきま」を出版、2022年にgoen゜vol.5「この世界、すべてがキャンバス 鈴木杏のアトリエ展」、2026年に SISON GALLERyにて「 やどる 」 “Something begins to live” と題した個展を開催するなどアーティスト活動も行う。2025年4月27日の自身の誕生日には「それぞれの表現を応援しあえる場所をつくりたい」という想いからオンラインコミュニティ「シェアアトリエぷくぷく」を創設。
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