自分軸手帳部は、「自分軸を見つけて育てる」ワーク付きの手帳『自分軸手帳』のユーザーが集うオンラインコミュニティ。本コミュニティは2021年に自分軸手帳の発行と共にスタートし、2023年からはコミュニティ専用オウンドプラットフォーム「OSIRO」を導入・運営しています。2024年現在で1万部以上の販売実績を誇る大人気手帳のオンラインコミュニティが生まれた経緯や、OSIRO導入の背景、自分軸手帳部が大切にする価値観について、コミュニティオーナーのようこさんにお話しいただきました。
※本事例記事は、OSIROのオーナーの知見共有コミュニティ「OSIRO Knight 」で開催されたイベント「OSIRO Community Night 」内での講演内容をもとに作成しています
背景と課題
・日中フルタイムで働きながら育児をこなし、オンラインコミュニティの運営を行う中で、部員さん(コミュニティメンバー)や運営チームとのコミュニケーションが不足していた。
・活動量が増加する一方で、ビジョンや見通しが立てづらく、施策が場当たり的になりがちだった。
・チャットツールを使用した運営では、部員さんとの細やかなコミュニケーションが取れず、コミュニティの活発化にも課題が生まれていた。
導入の経緯
・2023年からこれまで無料であったコミュニティを有料化。自分軸手帳部の「価値」にお金を払って参加してもらえるようなリブランディングを進めていた。
・同時期にオンラインコミュニティ運営に使用していたチャットツールの無料版が廃止されたため、代替となるツールやプラットフォームの選定が必要になった。
・自分軸手帳部として本来目指すべき方向性を考え、安心安全が担保された「手帳が続く場」をつくれるコミュニティプラットフォームの選定を検討。OSIROの導入を決定した。
導入効果
・OSIROの導入により「1:n:n」のきめ細やかなコミュニケーションが可能に。
・運営からサポーターチーム間でお互いの強みを活かしながら活躍できる体制が整備される。
・従前の課題であったビジョンや事業計画のつくり込みを行い、将来の見通しも定めて運営メンバー、サポーターに共有。連携が強化されたことでコミュニティ全体の熱量が高まる。
コミュニティ立ち上げ期に陥った「サグラダファミリア状態」
自分軸手帳は、一般的な手帳が持つスケジュール管理が目的ではなく、「自分軸を見つけて育てる」ことをテーマとしています。「
自分軸手帳部 」は、自分軸手帳を購入した人同士が交流し、アウトプットすることで自己理解を深めるためのオンラインコミュニティです。ようこさんは、自分軸手帳部をオープンした背景を以下のように説明します。
「自分軸手帳を購入する多くの方は、他人軸に振り回されて自分らしい人生を送れていないことに悩み、手帳を通じて自分と向き合いながら自分軸を見つけたいと本気で考えています。しかし、『手帳を使って人生を考える』という自分軸手帳の目的は、リアルな場では話しづらいものです。さらに、手帳を記入する習慣を習得するのも、最初はハードルがあります。モチベーションを高め合うためにも、同じ想いを持つ人が集まり、気軽に話し合い、お互いに刺激し合えるオンラインコミュニティが必要だと考えました」
提供:自分軸手帳部そのような思いから、ようこさんは2021年に自分軸手帳部を立ち上げます。コミュニティ立ち上げ当初は「コンパクトに設計したつもりだった」というようこさん。しかし、実際にコミュニティ運営を始めてみると、想定外のことも多かったようです。
「当初は月に1回ほどオンラインでトークをして、あとはもくもく会をするくらいの小さな活動をしていくつもりでした。しかし、始めてみると、あれもこれもとやりたいことの足し算が始まってしまい、気づけばサグラダファミリアのように施策が積み上がっていきました。
自分軸手帳は有志のメンバーで手上げ式のような形で作成していったものだったのですが、コミュニティもほぼ同じで、文化祭のような形で集まった運営8名とサポーター12名で回していました。しかも当時のTwitter(現:X)ベースのコミュニティからつくり始めたので、お互い本名も仕事も居住地も知らないまま。手探りの状態でした」
提供:自分軸手帳部手探りな状態で始まった初年度でも、ようこさんはコミュニティのあるべき姿を「手帳がつづく、あたたかい場所」と策定。それを目指すためのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)も策定していき、少しずつコミュニティへの想いを言葉にしていきました。
自分軸手帳、自分軸手帳部が掲げるMVV(提供:自分軸手帳部)
その実現のため、コミュニティ内での発信は運営側が最初に投稿し、部員さん(コミュニティメンバー)の自己紹介や投稿には全件返信するなど、部員さんが安心して交流できる場づくりを進めていたといいます。しかし、同時に課題も見つかりました。
「当時は未成熟な状態でしたが、そんなところに集まってくれた運営やサポーターの方々には本当にありがたく思っています。しかし、当時はコロナ禍で未就学児の子どもが二人いる中、ほぼフルタイムで仕事をしていて、個人的にも多忙な時期でした。コミュニケーション不足な中でコミュニティの活動量も徐々に増えていったので、今後のビジョンを考える余裕もなく見通しも話せない。そのため
運営やサポーターの方々の力も引き出しづらい状況でした」
チャットツールに感じた「コミュニケーションの限界」
1年目の反省点を踏まえ、2年目は1年間の活動予定やサポーターの方々に渡す業務を明確化していきました。この時には部員さんから「自分軸手帳を使うことで人生が変わりました」という声もあり、コミュニティ運営への手応えを感じていたといいます。ようこさんはこの時から「
コミュニティの事業化を検討し始めた」と振り返ります。
提供:自分軸手帳部「最初は手帳をつくることだけが目標でしたが、
コミュニティを継続していくためにも、しっかりマネタイズもしていきたいと思うようになりました。この時期になると、初年度の運営を通して少しずつ効果のある施策やコミュニティの状態が把握できるようになったりと、コミュニティとしての形が整ってきていました。また、運営チームも完全オンラインながら仲がよく、得意不得意を組み合わせて強みを活かせるチームになってきました。この頃からサポーターチームとの関係も良くなり、業務依頼や外部委託もできるようになってきましたね」
提供:自分軸手帳部一方で、コミュニケーションの運営には依然として課題感を残していたといいます。
「私はこの頃もほぼフルタイムで働き子育てもあったので、コミュニティに割く時間は限られていました。この頃は起きている間はずっと仕事をしているか、家族の用をこなすかで、休みがほぼゼロの状態でしたが、部員さんの方々とは粗いコミュニケーションしかできませんでした。
もっときめ細やかに部員さんへ寄り添えれば、できることはもっとあるはず。そう思いながらも、当時の状況の変化にとてももどかしい思いをしていたのを覚えています。
運営チームも仲がよかったものの、やはり小さいながらも変化の早いチームであったので、変化についてこれない人が出てき始めました。私も説明する時間も取れず、運営は当時9名いたのですが、コミュニケーションはチャットツールか週に1回のWebミーティングだけ。それだけでは一人ひとりとじっくりコミュニケーションをとる時間もなく、中には変化に対する抵抗感を覚える方もいました」
提供:自分軸手帳部加えて、ようこさんは「運営内でのコミュニケーション不足により、サポーターの方々にも遠慮が生まれていた」と振り返ります。運営からお願いしたいタスクは渡せているものの、お互いの考えや気持ちを共有する場がつくれていませんでした。
「当時からサポーターの方々も『もっと役になりたい』『力になりたい』と思ってくれていたのですが、こちらのビジョンや想いを伝える時間が取れていなかったため、遠慮と距離感がありました」
OSIROだからできる「心理的安全性の高いコミュニティづくり」
転機となったのは自分軸手帳部が3年目を迎えた2023年。2年目の構想通り、ようこさんは3年目からコミュニティの有料化に踏み切りました。そのような中で、これまでコミュニティ運営に活用していたチャットツールの無償版が提供終了になりました。
提供:自分軸手帳部「いろいろな課題を乗り越えつつ、私も2023年5月に会社を辞めてコミュニティ運営に専念できるようになり、有料化に踏み切った矢先のことでした。そこで急いで他のチャットツールも含めてさまざまなサービスを検討し、自分軸手帳部はOSIROを導入しました」
では、自分軸手帳部では、コミュニティ専用オウンドプラットフォームであるOSIROに、どのようなメリットを感じて導入を決めていただいたのでしょうか。ようこさんはこれまで活用していたチャットツールと比較しつつ、以下のように説明します。
「2023年のコミュニティ運営でよかった点には、まずチャットツールからOSIROに移行したことが挙げられます。先ほどもお話ししましたが、
私たちが使っていたチャットツールはビジネスを前提としているものだったので、コミュニティ内でのコミュニケーションでは使いづらさを感じていました。
私たちがツールやサービスを使う本来の目的はただチャットをしたりコンテンツを提供したいわけではなく、
自分軸手帳部にいるすべての人の心理的安全性が担保されている中で交流できる場をつくりたいためです。部員さんが自分軸手帳部に
来れば行動できる。そして自分が変われる居場所をつくれる機能や仕組みがあるのはOSIRO しかないと考え、導入を決めました」
提供:自分軸手帳部自分軸手帳部では
OSIRO導入後、コミュニティの変化を実感しているといいます。これまでの課題であった運営からサポーターチーム間との連携が強化され、部員さん同士でのコミュニケーションも盛んに行われるようになりました。
このように、運営やサポーターチームでお互いの強みを活かしながら活躍できる体制が整ったことで、コミュニティは以前に比べて活発化しています。並行して、ようこさんは自分軸手帳部のMVVや事業計画のブラッシュアップも進めました。その結果、コミュニティとして目指すべき姿がより高い解像度で共有されたことにより、運営チームやサポーターの方々との連携がより強化されています。
オシロが提唱する「活性化するコミュニティの形」
OSIROの導入とビジョンの策定によって、より活発で熱量の高いコミュニティへと成長しつつある自分軸手帳部。最後に、ようこさんはこれまでの試行錯誤から学んだ「コミュニティ運営に必要なもの」について、以下のように語りました。
「
コミュニティ運営で一番大事なものは『想い』、そして『人』の2つだと思います。しかし、その想いというものが私や運営チームにあったとしても、それを増幅させていかなければ届く範囲は限られてしまいます。しかし、私たちがきちんとサポーターの方々に想いを伝え、サポーターの一人ひとりが想いを増幅させていくことができれば、それは部員さんに伝わり心理的安全性の高いコミュニティができていくと思っています。
そのため、私にとってコミュニティの構造というのは、部員さんが一番上、私たち運営者が一番下という逆三角形のイメージを持っています。だからこそ、
大事なのはWHYから始める、つまり自分の『想い』から始めていくこと。ここはブレがあってはいけないと思います。
提供:自分軸手帳部『コミュニティは生き物』と聞いたことがありますが、最近ようやく腹落ちするようになりました。人生も同じだと思うんです。人生もコミュニティも育てるものだと思います。こうしたいと思って設計しても全然その通りにはならないこともあります。それでも想いを伝え続け、良いプラットフォームの中で育てていくことが大切だと感じています」
自分軸手帳部
自分軸手帳を通じて仲間と一緒に自分軸を育てるオンラインコミュニティ。手帳内の自分軸を見つけて育てる9つのワークについて活用法を聞いたり仲間と共有できる。そのほか、ワークをテーマとした手帳レッスンや、オンラインで手帳を一緒に書くもくもく会などが定期的に開催され、仲間と一緒に自然と手帳を続けることができる場を提供している。
https://club.jibunjiku-planner.com/
ようこさん
「自分軸手帳部」コミュニティオーナー
1982年東京都生まれ。手帳を使い始めたのは小学校高学年。2021年から「自分軸を見つけ育てる」をモットーに、自分軸手帳の制作・販売と、自分軸手帳部の運営を始める。好きなことは、手帳と家族と自分の人生クエスト。家族は、同い年の夫、小学4年生と1年生の息子、9か月の姉妹猫。
ファン同士の交流を活性化させる業界唯一のプラットフォームシステム「OSIRO」と8年以上のコミュニティ運営知見を持ったプロデューサーが、みなさまのコミュニティの立ち上げ・運営をサポートいたします。
システムやサポートの
ご案内資料のダウンロードはこちら から。