オンラインコミュニティのお悩みに役立つ情報をご提供する「OSIRO COMMUNITY TIPS」。今回は、オンラインコミュニティの運営の要ともいえる、コミュニティの盛り上がりや活動量をデータとして可視化する方法について、オシロでコミュニティ・データサイエンティストとして活躍する「コミュニティ熱量研究所」鈴木駿介所長が解説します。
こんにちは。オンラインコミュニティの実態を、データサイエンティスト視点から様々な切り口で解説していく「コミュニティ熱量研究所」。所長の鈴木です。 今回のテーマは「コミュニティのデータ化ってどういうこと?」 オンラインコミュニティの強みは、なんといっても「活動効果を数値化できる 」点にあります。既にそれに気づいた人達は、オンラインでのコミュニティ運営に大きな可能性を見出しています。 しかし、実際にどのようなデータに着目すれば良いのか、またそれらをどのように分析し活かせば良いのかは、既にコミュニティを運営をされている方々のなかでも未だにはっきりとした定義が掴めずに悩んでいる人が多いと思います。 特に、コミュニティ運営ではどのようなKPIを設定すればいいのか 、またどのような指標によって活動を評価すればよいのか については、今でも多くの人に相談されることです。 今回は、そのようなコミュニティ運営に関するデータ収集と分析の考え方について、データサイエンスの知見から科学していきたいと思います。
▶︎コミュニティに合った着目項目を知る
まずはコミュニティという形態の特徴として、
コミュニティの趣旨・要素によって着目すべき項目が変わる点を理解しておくことが大切 です。例えば、ECサイトであればページビュー(PV)数やコンバージョン率。音楽サイトの場合は再生回数やダウンロード数など、現状把握やKPIの設定、成果分析のために見るべき項目は、ジャンルごとにおおよそ定まっています。
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では、コミュニティではどのような点に着目し、データを捉えればよいのでしょうか?
分かりやすいのは、
運営目的を軸 に次のように項目わけすることです。
運営目的を軸とした着目点.png 472.25 KB このように、コミュニティごとに重視すべきデータ項目が異なるのは事実ですが、コミュニティ・データサイエンティストの私としては、「
コミュニティの状態を表すデータ 」として、どのコミュニティにも共通した見るべきデータがあると考えています。
それは何か、オシロが導き出したコミュニティ分析セオリーを元に解説していきます。
▶︎コミュニティ運営で見るべき基本データ
オシロでは、どのコミュニティにも共通して重要なポイントは次の3点 だと考えられています。
⑴ 規模:コミュニティ成長の鍵を握るデータ 規模を表す数値としては、「現状の会員数」「新規入会者数」「退会者数」 があげられます。現状の会員数の把握に加え、コミュニティの成長や規模の変化を知るためにも、新規入会者数や退会者数を常に確認し分析していくことが重要 です。新規獲得のため取るべき施策、イベント企画やコンテンツ内容の改良など、会員の増減傾向の把握・分析はコミュニティ成長に欠かせないアクションの一つです。
⑵ 活発度:メンバーの満足度を示すデータ 活発度を表す数値としては「サイトログイン率」「メッセージ投稿数」「記事の投稿数」「イベント参加人数」 などがあります。メンバーを積極的に巻き込む、参加型コミュニティを目指している方には特に、重要なポイントになります。「アクティブなメンバーがどのくらいいるか」を知ることは、メンバーの満足度を測る一つの方法でもあります。
⑶ 特徴:コミュニティのファン層を表すデータ これは「年齢・居住地などのメンバー構成」「興味関心」の傾向を把握し、①「規模」②「活発度」が示すデータと合わせて深掘りして分析する ことで見えてきます。どんな人が参加しているのか、どんな内容で盛り上がっているのかなど、コミュニティの特徴を理解することは、ファンを知る上でとても大切なポイント であり、メンバー同士が交流できるオンラインコミュニティだからこそ分析できるデータでもあります。
どうやってデータを把握すればいいの?
「
見るべきデータ項目は分かったけど、どこで収集するの? 」といった悩みも多いと思います。
一般的には、オーナーとメンバーとの交流頻度 / 運営側からの記事投稿 / メンバー同士のチャット / イベント参加率 /グッズ販売の売上など、それぞれのアクションを異なるツールで行うため、ツールの数だけ別々にデータが存在します。そうなると、どのメンバーがどのイベントに参加したのか、実際にコミュニティに関わっているメンバーは何人いるのかなど、現状の把握がとても難しくなります。
そのような状態では、コミュニティ運営を改善させていくための目標やKPIを策定することもできず、よりよいアクションをしづらい状況が生まれてしまいます。
コミュニティのデータを正しく把握するためには、ツールを一本化し、データが一箇所に揃っていることが重要です。 OSIROの管理画面でできること.png 581.88 KB 例えばOSIROでは、会員登録、チャット、記事の投稿、イベント作成、グッズ販売など、コミュニティ運営に必要な機能が集約されており、全データを管理画面で確認することができます。 どのメンバーがどのイベントに参加したのか、どのグッズを買ったのかなどのアクションに加え、月間どのぐらいサイトにログインしたのか、チャットを行ったのかなどを各メンバー毎にデータを見ることができます。月間動向で一番アクティブなメンバーを知ることもできてしまうのです。
活動効果の測定は様々な要素が複雑に連動しあうからこそ、
データを一括で収集・比較・分析ができる環境 は、機能面の充実同様にコミュニティ成長に欠かせない大切なポイントだと感じます。
既にコミュニティを運営されている方は、ぜひ一度ご自身の活動をじっくり分析してみることをお勧めします。 沢山の気づきとともに様々な悩みを解消する取っ掛かりが得られるかもしれません。
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『熱量』ってどういう意味? 」では、コミュニティから得られるデータと、その見方について解説しています。
“コミュニティごとに異なる活動内容と目的を明確にし、得られるデータを規模・活発度・特徴の3つを軸に分析していくことがポイント” ということをお伝えしています。
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