角川素久さんをお呼びした「OSIRO INVESTER INTERVIEW」第五弾。
OSIRO INVESTER INTERVIEW
オシロ株式会社を応援する投資家をお招きし、代表の杉山博一がコミュニティの可能性について語り合う「OSIRO INVESTER INTERVIEW」。第5回のゲストは、Sansan株式会社の創業メンバーとして管理、広報、人事、CWO(Chief WorkStyle Officer)を歴任し、現在はオシロの組織開発顧問を務める角川素久さん。角川さんはオシロの組織づくりにアドバイスをくださるだけでなく、エンジェルラウンドとシリーズAでご出資いただいています。顧問として、そして出資者としてオシロを支えてくださる角川さんが思うオシロの強み、将来に向けた期待をお聞きしました。
画像右:Sansan創業メンバー、元同社 CWO(Chief WorkStyle Officer) 角川素久さん
画像左:オシロ株式会社 代表取締役社長 杉山博一
成功する経営者の共通点「執念や執着、決して諦めない心を持つ人」
杉山博一(以下、杉山): つのさん(角川さんの愛称)はニュージーランド在住なので、オンラインではなくこうしてお話ができることを楽しみにしていました。僕とつのさんの出会いは、つのさんが移住する直前、クリスマスのことでしたね。
角川素久さん(以下、角川): もう6年半くらい経ちますね。僕と杉山さんはSansanで同僚だったデザイナーさんが共通の友人で、その方が開催したクリスマスパーティーで紹介してもらったのが始まりでした。杉山さんにはニュージーランドについて教えてもらったり、移住後も大輔さん(四角大輔=オシロ共同創業者)はじめ現地在住の方をご紹介いただきましたね。僕ら家族がニュージーランドでの生活を順調にスタートできたのは、杉山さんのおかげですよ。
杉山: 懐かしいです。 つのさんとは初めてお会いした時から意気投合して、移住してからも経営に関して悩んでいる時には相談に乗っていただいたりもしていました。今では顧問として組織開発をサポートしていただいているばかりか、出資者としてオシロを応援してくださっています。つのさんには感謝してもしきれないです。
角川: 僕は友人である杉山さんがとても素敵な人だから応援しているだけですよ。助けてあげられることは助けて、教えられることがあれば教えたい。それだけが動機です。なので、
僕が今顧問をしているのはオシロだけで、出資先も後にも先にもオシロ以外ありません。
杉山: 友人として、またオシロを応援していただいている顧問/投資家としてそう言っていただけるのは、本当に嬉しいです。
角川: ただ、もちろんオシロは事業として成功すると思っているからお手伝いをしていますし、
僕自身もスタートアップを立ち上げてビジネスを回してきた身なので、当然将来性を感じなければ出資することはありません。杉山さんは必ず成功する経営者だと思っています。
僕が知っている成功した経営者の共通点を1つあげるとすれば、それは「
執念や執着を持ち、決して諦めない心を持つ人」です。杉山さんは諦めないし、誰よりもコミュニティに人生をかけてる人。そして、杉山さんには元アーティストという原体験がある。そんな原点があるから強い当事者意識を持っているし、その想いは簡単に揺るがない。これは杉山さんが持つ強さであり、経営者の誰しもが持ち合わせているものではありません。
ミッションに忠実ゆえ経営難易度が高い。だからこそ応援したくなる。
杉山: つのさんはSansanの創業期から事業のグロースを支えてきた方です。創業者の先輩として、現在のオシロについてどのように感じていますか?
角川: 僕はもう会社を離れて長くなってしまいましたが、今では創業期からは信じられないくらい大きな成長を遂げていますね。しかし、
Sansanは最初から順風満帆で来ていたわけではなくて、むしろ一つひとつを積み重ねながら地道に成長してきた企業なんです。そういう意味では、
成長のしかたはオシロと少し似ているんです。
例えば
単一プロダクトで強いこだわりを持った開発をしているところや、手広くやるのではなく
コアの価値を追求し続けているところ。さらには「売れるから」ではなく
「こういう世界を作りたいから」や「こういう課題を解決したいから」という想いでひたすらにやってきたところです。そういったプロセスを歩んできたからこそ、杉山さんの悩みはとてもよく理解できます。
杉山: 事業の成長とともに組織づくりの悩みは増えていくものですが、オシロの場合はつのさんという存在があって、アドバイスをいただけることは本当にありがたいことですし、いつも心強く感じています。
角川: とくに資金調達を済ませた今の時期は、非常に難しい時期ですよね。高い角度での成長を期待される一方で、新しい可能性にもしっかりとチャレンジしていく必要がある。そのためには人が必要で、人を集めるためには「自分たちがどんな存在か」を知ってもらうための広報やマーケティングも求められています。今は自社として地を固めながら成長への踏み台をつくる「踊り場」の時期といえますね。
杉山: まさにおっしゃる通りです。僕たちはこれまで「OSIRO」がよりよいプロダクトとなるよう、地道にブラッシュアップを重ねてきました。その結果、現在では多様なお客さまからお引き合いをいただけるようになり、さまざまな可能性が芽を出し始めています。
例えば、これまで「OSIRO」はコミュニティ専用オウンドプラットフォームとしてSaaS型の展開をしてきましたが、
現在では社員同士のエンゲージメントを高めるようなソリューションとしてのニーズも高まっています。また、
自分たちが企画から運営を行うコミュニティベースドメディアとして機能する展開にも手応えを覚えています。
一方で、悩ましいのはこのような展開に合わせた組織づくりです。採用もこれまではSaaS業界での経験があるメンバーなど役割分担された職種人材という考えでしたが、今ではコミュニティを企画するところから立ち上げまでを自走できる、編集者のような人材も必要になっています。
角川: SaaS的な提案だけではなくて、自社企画としてプランニングをしていくとなると、杉山さんのいう通り
SaaSの考えと編集者的な企画力の両軸から人材を集める必要がありますね。そうなってくると採用の難易度も高くなってきますので、採用担当としても大変でしょう。しかし、こういった
オシロのハイブリッドさは他社にはないユニークなところであり、そこにやりがいやおもしろさを感じる人も多いと思うんですよね。
「コミュニティ」というキーワードでいえばさまざまな会社が出てきていますが、オシロはどことも似ても似つかない企業です。その根本には、杉山さんがオシロを立ち上げてまで成し遂げたいミッションや想いがあります。ただし、売れそうだからと甘い蜜を吸いにいった瞬間、オシロのアイデンティティが失われてしまうでしょう。そういった意味で、
オシロは非常に難易度が高い事業運営をしていると思っています。だからこそ、応援したくなる。これは僕だけじゃなくて、オシロに出資している他の投資家の皆さんも同じ想いだと思います。
こだわりは求心力となり、やがて多くの共感を生み出す
杉山: つのさんにはよく「オシロとして、経営者としての芯にブレがあってはならない」とアドバイスをいただきますが、改めてその大切さを感じています。これまでに、大輔さん、サディ(佐渡島庸平=オシロ共同創業者)と喧々諤々な壁打ちをさせてもらっている時間は、「自分の芯を強くさせてもらっている」とも感じていましたし、つのさんとの時間は、思考の整理というか、言語化が進むんです。
角川: 先ほどもお話ししましたが、僕は純粋に杉山さんを応援したいと思って出資していますし、顧問をしています。なので、僕は杉山さんの悩みにしっかりと耳を傾けて、本音で向き合っていきたいと考えているんです。
杉山さんほど純粋にミッションに向き合っている経営者はいないと思っています。だからこそ、その素晴らしさは変わってほしくないですね。
杉山: 「OSIRO」はコミュニティオーナーとファンが長期的なつながりを持てるようにしていますが、これは
ファンがコミュニティオーナーが持つ歴史や背景、コンテキストを知った上でエールを送ってもらえることがなによりの力になると考えたからです。僕とつのさんは何年も話してきて、僕の想いや悩みを知ったうえでエールを送ってくれる。だからこそプロダクト開発にこだわることができたし、ミッションに忠実な経営、組織づくりを進めてこれたと思っています。
角川: 杉山さんは元アーティストでデザイナー。そのため、プロダクトにも強いこだわりが現れていますよね。
そのセンスやディテールの良さは、スマホで例えればiPhoneのような印象を持ちます。そういったこだわりの追求は、プロダクトの将来性に大きな差を生むものです。最初は似たようなことができるなら安いものが選ばれますが、そのうち物足りなくなり、最終的にはユーザー体験が良く、美意識が高いものが選ばれます。
こだわりは求心力となり、やがて多くの共感を生み出すものです。そしてそれは、組織づくりも同じだと思っています。
だからこそ、杉山さんはプロダクトだけではなくオフィスの設計や内装、飾るアートにまで強くこだわりを持ち、オシロにはクリエイティブでありたいと思う人材が集まっています。こういったプロダクトや組織のつくり方は、他の経営者では真似できないことです。
杉山: つのさんには日頃からたくさんのエールをいただいてますが、今日は心が震えるようなお言葉をいただけて、本当に嬉しいです。オシロは今、大きな成長へと歩みを進めています。つのさんからいただいたエールとご期待に応えられるよう、今後も努力を続けていきます。
角川: 杉山さんは元アーティストなので、最初はもっと繊細な人かと思っていたんですが、意外と気合いと根性に溢れている人(笑)。けど、
経営者に必須の素質は気合いと根性なんです。Sansanの創業時に出資いただいた投資家の赤浦徹さんに、「成功するベンチャーってどういうベンチャーなんですか?」と尋ねたことがありました。すると赤浦さんは即答で「気合いです」と。当時は衝撃的でしたが、のちになってそれが本質だとわかりました。
結局、いろんなことが起こったり数字が伸び悩んだりするけど、気合いを入れてやり続ければいつの間にか抜け出せます。しかし、そんな時に経営者の気合いが入っていなければ、踏ん張れないんです。杉山さんにはこれからも健康に気をつけて、気合いを入れ続けてほしいですね(笑)。
杉山: ありがとうございます(笑)。やはり僕は「
日本を芸術文化大国にする」というミッションを実現するためにも、コミュニティに自分の情熱をすべて注ぎ込みたいと考えています。今よりももっと気合いを入れて、OSIROが進化したその先には必ず世界を変えるサービスに成長させていきたいと思っています。本日はありがとうございました!
Profile
角川素久|Motohisa Tsunokawa
1976年生まれ。慶應義塾大学卒。2007年Sansan株式会社を5人で創業。名刺データ化オペレーション、管理、広報、人事、CWO (Chief WorkStyle Officer)を歴任。2018年にニュージーランドに移住。
杉山博一|Hirokazu Sugiyama
1973年生まれ。30才を機にアーティスト活動に終止符を打つ。日本初の金融サービスを共同で創業。ニュージーランドと日本の2拠点居住を経て「日本を世界一の芸術文化大国にする」というミッションのために東京に定住し、2017年オシロ株式会社設立。
オシロ株式会社は現在、ファン同士の交流を活性化させる業界唯一のコミュニティ専用オウンドプラットフォーム「OSIRO」を成長させ、より多くのクリエイターやブランドオーナー、企業様にご導入いただくための仲間を募集しています。
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